〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

ANA442便(福岡〜中部)搭乗記 〜プロペラ機の乗り心地は?〜


f:id:meihokuriku-alps:20190915111033j:image

福岡空港に戻り、帰りの飛行機に乗る時間が来ました。普通なら福岡〜小松線か羽田経由で富山に向かうところなのですが、押さえていた格安料金での予約を決済忘れで流すと言う痛恨のミスを犯してしまいました。

急遽貯めていたマイルを使って特典航空券を探しましたが、福岡〜小松線は既に満席、羽田経由だとマイルを2区間分使う事になるので無理。結局、福岡〜中部線で特典航空券を取り、名古屋から高速バスで富山に戻る事にしました。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190915111405j:image

今回乗るのはANA442便、機材はボンバルディアダッシュ8-400です。もっとも、ボンバルディアはダッシュ8事業をカナダのバイキングエアに売却し、名前も「デ・ハビランドカナダDHC-8-400」になりましたが、ANAでは今のところ名前はそのままです。

 

 ↓プロペラ機に関してはこちらの記事も参考にして下さい。

www.meihokuriku-alps.com

 

 

となりのゲートの鹿児島行きJAC便とほぼ同じ時間に搭乗開始です。と言っても両方ともバス移動ですが。

f:id:meihokuriku-alps:20190915151537j:image

 

これで鹿児島まで行くのか(違)
f:id:meihokuriku-alps:20190915151543j:image

 

バスに揺られる事数分、搭乗する飛行機が見えて来ました。ジェット機に比べるとやはり小さいですね。
f:id:meihokuriku-alps:20190915151546j:image

機内に入りました。小型のプロペラ機なので機内は広いとは言えません。一時間ちょっとくらいなら問題ないと思いますが、長距離路線でこの機材は勘弁かな。

f:id:meihokuriku-alps:20190915151906j:image

 

座席もそれほど余裕があるとは言えません。窓側席は機体の形状の関係もあって足元は狭まり、多少圧迫感を感じます。片足を狭め、若干内股気味にするように座る、と言えば分かって頂けるでしょうか。景色を重視しない方なら通路側の方が快適に過ごせると思います。
f:id:meihokuriku-alps:20190915151859j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190915151909j:image

 

ちなみに座席はプロペラのすぐ隣。この席の方が回るプロペラを見られて臨場感があるかと思ったのですが、後に少し後悔する事に・・・
f:id:meihokuriku-alps:20190915151902j:image

 

そして飛行機は福岡空港の離着陸の順番待ちで多少待たされた後に離陸。離陸時は最大出力を出す為か、相当なエンジン音が響きます。これ、ひょっとしたらジェット機よりも音が大きいかも・・・

しかしその騒音も離陸後しばらくしてまで。ある程度高度が上がると騒音は小さくなり、ジェット機よりも上昇は緩やかなので存分に景色を堪能する事ができました。

f:id:meihokuriku-alps:20190916190515j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916190506j:image

 

飛行機は瀬戸内海→和歌山沖→紀伊半島→志摩半島→長島近辺→中部空港というルートで飛行しました。ジェット機よりも低い高度を飛ぶ為、雲に遮られる事なく景色を眺められます。離陸時はプロペラ近くの席を取った事を後悔しましたが、巡航高度にさえ入れば快適そのもの。プロペラから離れた席を選べば騒音も少なくなるので、景色狙いの方は前方か後方の窓側席をオススメします。
f:id:meihokuriku-alps:20190916190448j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916190455j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916190443j:image

f:id:meihokuriku-alps:20190916191436j:image

 

ちなみに、ダッシュ8の難点はオーディオサービスがない事。また、機内モニターもない為機内安全ビデオもなく、CAさんのアナウンスとデモンストレーションになります。まあ、今のご時世こちらの方が珍しくはありますので、これはこれでいいですがw

 

やがて機体は高度を下げ、石油備蓄基地や工業地帯が見えてくると中部空港到着。到着後は再びバスでターミナルに移動しましたが、CAさんがドアから手を振って見送ってくれたのが印象的でした。プロペラ機は小さい分、乗客と乗務員さんの距離が近い気がします。物理的にも心理的にも。

f:id:meihokuriku-alps:20190916192712j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916192715j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916192707j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190916192702j:image

 

と言うわけで久しぶりにプロペラ機に乗った感想ですが、乗り心地はジェット機と遜色はないという思いには変わりありません。ただ、やはりプロペラ機の弱点は随所に見られるなと感じました。

まず機内は広くて快適、とはやはり言えません。サービスに関してもジェット機より減りますし、機内持ち込み可能な手荷物も一回り小さくなります。振動に関しても機体が小さい分、ジェット機よりは目立ちました。搭乗に関してもボーディングブリッジ使用がしづらい分、バス移動になる確率は高いです。

それでもプロペラ機を選ぶメリットもあります。まずジェット機よりも低空を飛ぶ為景色はいいです。小さい機体なので座席は必ず窓側か通路側となり、真ん中の席になる事はまずありません。また、機体が小さくなる分運行頻度は上がるので、結果的に本数が増えて便利にもなっています。直接的なメリットは少ないかも知れませんが、運行経費の安いプロペラ機を飛ばす事で増便や路線維持と言う、目には見えないサービスを提供している、と言うのがプロペラ機最大のサービスなのではないかと思います。

 

確かにプロペラ機はジェット機と比べると劣っている点は少なくありません。しかしプロペラ機のおかげで利便性が維持されている路線も少なからずあり、特に離島ではプロペラ機が島の生命線ともなっています。昔に比べたらジェット機とプロペラ機の格差も縮まっており、RACのダッシュ8貨客混載形のようにジェット機よりも足元が広いプロペラ機も存在します。JACのATRも革張りシートで乗り心地は良さそうなので、いつか乗ってみたいですね。

 

中部空港に着いた後は名鉄で名古屋駅まで移動、そこから高岡行きの高速バスに乗り換えました。

 

にほんブログ村 旅行ブログ 飛行機旅行・空の旅へ
にほんブログ村

300円で新幹線に乗れる⁉︎「博多南線」に乗ってきた

 

貝塚公園でヘロンを見た後、一旦地下鉄で博多駅に戻りました。次の目的はJR博多南線です。

 

 ↓この前の行程はこちら

www.meihokuriku-alps.com

 

f:id:meihokuriku-alps:20190913110055j:image

 

さて、新幹線の改札を抜けてっと・・・

 

って新幹線⁈
f:id:meihokuriku-alps:20190913110050j:image

 

そうなんです。実はこの博多南線、車両も規格も新幹線のものなんですが、なぜか「在来線」扱い。しかもこの区間を管理するのはJR九州ではなくJR西日本なので、形としては「JR九州の縄張りにJR西日本が新幹線規格の在来線で殴り込んできた」という格好になります。なぜこんな不思議な路線が存在するのでしょうか?


f:id:meihokuriku-alps:20190913110052j:image

 

種明かしをするとこの路線、山陽新幹線の博多駅〜博多総合車両所間の回送線を旅客扱いしているもの。回送線自体は1975年10月の山陽新幹線全線開業時に作られましたが、当然ながら旅客営業は全く想定されていませんでした。

ところが福岡市の都市化に伴い周辺の地域が宅地化されて行くと、車両基地の近くにある那珂川町の住民から「回送列車に乗せて欲しい」と言う要望が上がります。当時の那珂川町には鉄道がなく、博多へは路線バスで1時間近くかかる「陸の孤島」新幹線の回送列車なら博多まで一本で、バスよりもはるかに速く行けるのでこの要望も当然と言えば当然でした。

しかし、ここで大きな問題が発生します。要望が出された当時は国鉄分割民営化の真っ只中であり、国鉄改革法で「九州島内の在来線はJR九州が運行する」と定められた事が旅客化への大きな障害となり、その後しばらく運営会社を巡るJR側と地元との協議は難航しました。山陽新幹線の回送線という性格上、運営はJR西日本がやるのが筋ですが、国鉄改革法の規定がある以上、博多南線はJR九州に運営させるしかない。そんな両社の対立で何年も計画は進みませんでしたが、最終的には線路の保有と列車の運行管理はJR西日本が行うが、博多南駅の窓口業務はJR九州に委託する、という形で決着。1990年4月1日に博多南線が開業し、車両と線路は新幹線だけど扱いは在来線、という異例の路線が誕生したのです。ちなみに、博多南駅のJR九州への委託契約は2010年に解消され、以後はJR西日本の直接管理となっています。つまり、博多南駅は「九州に唯一存在するJR西日本の在来線駅」という訳です。

 

 

さて、そんな博多南線の列車ですが、朝ラッシュ時は1時間に3~4本、夕方のラッシュ時は1時間に2~3本、昼間は1時間に1本の運行です。列車は博多南駅のホームの関係上、8両編成の列車のみ運行され、「こだま」や一部の「ひかり」で博多駅に到着した列車がそのまま博多南駅まで直通します。

面白いのが博多までは名前付きの列車だったのが、博多南線に入ると名前が外れる事。逆に博多南発の列車は博多から先は「こだま」などの列車になる事実上の直通列車でも、博多南線内では博多止まり、名無しの「特急」として運転されます。ちなみにJRの特急で愛称がないのはこの博多南線が唯一の例だそうで、そういう意味でもレアケースです。

 

使用車両は主に「こだま」に使用される500系や700系「レールスター」。一部九州新幹線直通用のN700系が使用されることもあるようです。この日乗車した車両は500系でした。考えて見たら500系も既に登場から20年以上経ち、新幹線車両としては現役最古参になってしまいました。デザイン的には今でも十分通用するんですけどねえ・・・


f:id:meihokuriku-alps:20190913110058j:image

 

座席は全席自由席。このうち4〜6号車は「こだま」では指定席車として使用されますが、座席は2×2の広い座席。足元もかなり余裕がある「乗り得座席」と言えます。もっとも、博多南へは8分で着きますし、平日昼間の列車なのでガラガラでしたけど・・・あと明らかにご同業と思われる方が数名500系にカメラを向けてました。

f:id:meihokuriku-alps:20190914140611j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190914140608j:image

 

博多からあっという間に博多南駅到着。1日の利用者数は15000人と多く、博多南線のおかげで利便性が飛躍的に上がった那珂川町は人口を伸ばし、昨年めでたく「那珂川市」となりました。鉄道趣味的には面白い路線ですが、那珂川市民にとってはなくてはならない大事なライフライン。これだけの利用者がいれば廃線になる事はまずないでしょうし、福岡を訪れた際は8分間、300円の「新幹線乗車」を楽しんでみてはいかがでしょうか?

f:id:meihokuriku-alps:20190914141243j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190914141246j:image

 

この後は西鉄バスに乗り換えて大橋駅まで移動し、西鉄に乗車。再び福岡空港に戻って帰路に着きます。

 

 

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

福岡市・貝塚公園に残る元JDAのヘロン

f:id:meihokuriku-alps:20190908164909j:image

 

初めてのJALのA350に満足した翌9月2日、以前からみたいと思っていた飛行機を見に貝塚公園に向かいました。貝塚公園へは地下鉄貝塚駅を出てすぐになります。

 

↓昨日のA350搭乗記はこちら

www.meihokuriku-alps.com

 

 

f:id:meihokuriku-alps:20190913080324j:image

 

貝塚交通公園に来た目的は公園内に展示されている元日本国内航空のデハビランド・ヘロン、JA6159。ANAの前身の日本ヘリコプター航空やJASの前身会社の富士航空→日本国内航空や東亜航空で使われていたイギリス製の旅客機で、1972年頃まで使われていました。

JA6159は伊藤忠航空整備が輸入し富士航空が購入、合併で日本国内航空になった後1967年8月に退役、東亜航空に部品取り用として売却されたようです。その後貝塚交通公園には1968年から展示されていたようで、以後50年以上、現役よりもはるかに長い時をこの地で過ごしてきました。

かつては何機ものヘロンが保存されたようですが、その多くは後に解体され、現存するのはこの機体と広島県上下町のクリーニング店の屋上にある機体の2機だけ。このためJA6159は誰でも見られるヘロンとしては貴重な機体なので、現在進行形でTDAの動画を作っている身としては福岡に来た機会に一度訪れたかったのです。

 

・・・が、どうも様子がおかしい。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190913080437j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190913080440j:image

 

機体の周りには他のHPやブログではなかったはずの柵が設けられており、柵の中は雑草が生えるがまま。そして柵には所々に「あぶないので立ち入り禁止」の文字が。少なくとも2017年に撮影された写真にはこの柵はなかったので、最近設けられたものだと思われます。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190913080433j:image

 

気を取り直して機体を見てみましょう。機首部分の塗装は所々剥げ落ち、ピトー管も曲がってしまってます。窓の上の白い部分も黒ずんでおり、保存状態は良くないようです。
f:id:meihokuriku-alps:20190913080427j:image

 

ヘロンの特徴である4発レシプロエンジン。ヘロンは19人乗りの機材ですが、エンジンが非力だったために4発必要と言う弱点を抱えていました。燃費や整備の面では効率は悪く、これが長期間活躍出来なかった理由の一つなのかも知れません。プロペラどころか長距離国際線や大型機でも双発が当たり前になった現在からは隔世の感がありますね。
f:id:meihokuriku-alps:20190913080424j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190913080443j:image

 

そして主翼はレシプロ機なので機体に垂直に取り付けられています。しかし全般的に状態は良くないですね・・・
f:id:meihokuriku-alps:20190913080421j:image

 

公園の反対側にはSLと20系客車が展示されています。こちらの方はちゃんとした柵で仕切られ、ちゃんとした説明板も設置されています。保存状態は屋外展示にしては良く、ヘロンとは雲泥の差です。こっちの方は寄付があったために補修の資金が出たのだと思いますが、この対応の差に日本での航空機保存の難しさを感じさせられます。
f:id:meihokuriku-alps:20190913080447j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190913080430j:image

 

貝塚公園自体が再開発に伴う移転の可能性があり、今後公園の規模が縮小されるのか、他の場所に移転されるのか、はたまた廃止になるのかは分かりません。しかし、いずれの場合でも保存状態が悪く、老朽化で立ち入り禁止になっているヘロンが移設される可能性は今のところ低そうです。定期的に整備されているSLや20系客車に比べると、ヘロンの方は「半分放置」と言って良く、貝塚公園の方向性が決まった後解体となってもおかしくない状態です。

fukuoka-touch.net

 

個人的には貴重な機体を何とか残して欲しいですが、他の場所に移して保存するにしても、移設費用に加えてかなりの修繕費用が必要になり、現状では厳しそうです。保存のためのクラウドファウンディングとかあれば微力ながら協力させて頂きたいんですが・・・

現状、このヘロンはいつ解体されてもおかしくない状態だと思います。記録される方はお早めに訪れることをお勧めします。また、もし保存活動に取り組まれる方、取り組もうと考えている方がいたらご一報下さい。遠方なので大した協力はできませんが、微力ながらお手伝いさせて頂きます。

 

↓この後の行程はこちら

www.meihokuriku-alps.com

 

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
にほんブログ村

 

「JAL旅客機コレクション」創刊号が届きました!初回は787-9型!

f:id:meihokuriku-alps:20190908182101j:image

以前の記事で定期講読を宣言していた、デアゴスティーニの「JAL旅客機コレクション」創刊号が届きましたので、どんなものが来たのか簡単にレビューしてみたいと思います。

f:id:meihokuriku-alps:20190908180758j:image

 

↓以前の記事はこちらをご覧下さい。

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

 

まず内容ですが、1/400ダイキャストモデルと、機体の解説や特集ページが載った解説本が入っています。解説本の中身については詳しい言及は控えますが、初回と言う事もあってJAL旅客機コレクションの紹介とJALの旅客機の歴史が掲載されていました。その後に今回のモデルである787-9の解説や、JALとJASの歴代CAの制服などが紹介されています。

 

 

 

f:id:meihokuriku-alps:20190908181206j:imagef:id:meihokuriku-alps:20190908182045j:image

さて、いよいよダイキャストモデルとご対面です。実物を見た第一印象は「思ったよりもしっかりしている!」

流石JALが監修しているだけあって、下手なダイキャストモデルよりも再現度は高いです。下手なモデルだと窓の部分やコクピット部分の作りが雑なものもあるんですが、少なくともこの787-9に関してはそんな事はありませんでした。脚の部分やエンジンなども可能な限り精巧に再現されています。

f:id:meihokuriku-alps:20190908181623j:image

 

f:id:meihokuriku-alps:20190908181822j:image

 

そして登録記号や機種名、ユニセフロゴといった細かい部分もしっかり再現されています。下手なモデルだとこの辺もおざなりにされがちなので、この辺の再現度の高さにJALとデアゴスティーニの本気度を感じました。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190908182045j:image

 

それにしても787は曲線的な翼が美しいですよね。双発機ばかりでバリエーションが少なくなったと思われるかも知れませんが、その分機体のデザインは洗練されてきて優美さは増しているように思います。就航したばかりのA350がいつ出るのか、今から楽しみです。

f:id:meihokuriku-alps:20190908182145j:image

 

 

さて、創刊号を実際に手に取った感想ですが、

「このクオリティなら買い!」だと思います。

2号目以降は2760円プラス消費税になりますが、今のご時世解説本付きでこのクオリティのダイキャストモデルは3000円では買えませんし、コスパはかなりいい方だと思います。

もし購入を迷っておられる方は創刊号だけでも試し買いしてみてはいかがでしょうか。実際に手に取ってそのクオリティを確かめてからでも遅くはないと思いますし、私個人は買い続けるだけの価値はあると思います。

とりあえず私は定期講読は続けることにしました。今後4週間おきに2号ずつ新刊が届けられることになります。新刊が届いたらその都度このブログやYouTubeでレビューして行きたいと思います。

 

更新が滞ったらまあ・・・挫折したと思って下さいw

 

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
にほんブログ村

溝の口にある「神奈川県立川崎図書館」の社史コーナーが凄かった

電車とバスの博物館を後にして田園都市線で溝の口まで戻りました。次に目指すのは神奈川サイエンスパーク内の「神奈川県立川崎図書館」です。駅前から無料のシャトルバスが出ていますので、それに乗って移動します。

 

↓この前の行程はこちら

 

www.meihokuriku-alps.com

 


f:id:meihokuriku-alps:20190907190539j:image

 

私の旅行は動画の素材集めや調査も兼ねており、旅先でも地元の図書館で郷土資料を探したりするのですが、今回の川崎図書館はちょっと目的が違います。川崎図書館は日本でも有数の「社史コレクション」を有しており、交通関係の企業の社史もかなりの数があります。


f:id:meihokuriku-alps:20190907190532j:image

 

当然、館内を撮影する訳にはいかないので写真はありませんが、川崎図書館のHPには社史コレクションのページがあり、分野ごとに社史の背表紙の画像を見ることができます。興味のある方は一度ご覧になってみて下さい。

神奈川県川崎図書館 バーチャル「社史室」目次

 

で、私が探す交通関係の社史ですが、航空関係は日本航空と全日空の社史はもちろん、日本アジア航空や南西航空、日本貨物航空の社史、成田空港や日本各地の空港ターミナルビルの社史もありました。しかし日本エアシステムの社史はありませんでした。と言うよりJASの社史自体がないんですよね・・・

 

一方の鉄道関係は第三セクター協議会のデータ集や国鉄の社史、東武や名鉄、阪急などの大手私鉄から地鉄や北鉄などの中小私鉄まで、様々な鉄道会社の社史が揃っています。中には仙北鉄道や信貴生駒電鉄、奈良電気鉄道などの消えた鉄道会社の社史もありました。これ真剣に探したら他にも凄い会社の社史が出てくるんじゃないかな(汗)

 

この他バスや海運関係の社史もありますが、時間切れで見る事はできませんでした。図書館にいたのは3時間程でしたが、全然時間が足りませんでしたね。

なお、社史に関してはコピーが可能です。受付にコピーしたい社史を書いて提出すればコピー機の札を渡され、自由にコピーする事ができます(但し、著作権法の規定により複写は書籍の半分以内と定められていますのでご注意を)

また貸し出しもしているようですが、流石に遠方の人への貸出は無理でしょう。県立図書館と言う性格上、貸出を受け付けるのは神奈川県民だけだと思います。

 

それでも膨大な社史の量は一見の価値ありだと思います。かながわサイエンスパーク内にはホテルKSPもありますので、泊まりがけで調べ物をするにはうってつけです。今度は泊りがけで行ってみようかな?

 

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

 

 

「電車とバスの博物館」に残るJASの残滓

羽田空港に到着後は少し撮影して昼食を取り、川崎市に移動しました。最初の目的地は東急田園都市線宮崎台駅にある「電車とバスの博物館」です。

 

↓この前の行程はこちら

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

f:id:meihokuriku-alps:20190907083327j:image

 

ここは東急の車両やバスが展示されている、いわゆる「企業博物館」ですが、館内は家族連れが多く、展示物もバスや鉄道の仕組みや仕事体験といった子供向けの展示に重点が置かれており、学術研究や貴重な鉄道資産の保存施設と言うよりはテーマパーク的要素が大きいです。

とは言え、車両は元玉電のデハ200形など貴重なものが展示されており、それなりに展示は楽しめます。しかし今日のお目当てはこれらの両ではありません。本館(A棟)とは別の建物(B棟)の奥にひっそりと保存されているJASの名残です。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190907120526j:image

 

B棟は「キッズワールド」として子供向けシミュレーターやプラレールパークが設けられており、A棟以上に家族連れで賑わっています。かなりの場違い感を感じつつ奥に向かうと、「JASの残滓」が見えてきました。

f:id:meihokuriku-alps:20190907083345j:image

元東亜国内航空のYS-11、JA8662「なると」です。

この機体は1966年5月に日本国内航空に納入され、その後東亜航空との合併を経てTDAの国内線で20年以上運用され続けました。何事もなければそのまま日本エアシステムの社名変更を迎え、やがてひっそりと退役したと思いますが、1988年1月10日の米子空港オーバーラン事故でその運命は大きく狂いました。

事故によって機体は中海に突っ込んでしまい、事故調査の後1989年2月に登録抹消、現地で解体されてしまいました。事故当時の写真を見る限りだと修復できそうな気もしますが、既に就航から20年以上経っていましたし、地方空港のジェット化でいずれYSは余剰となる事が予想されましたから、修復しても長く飛ぶことはないと判断されたのでしょう。

しかし、機首部分だけはこの「電車とバスの博物館」に移設され、シミュレーターとして第二の人生(機生?)を歩む事になり、結果的にはTDA時代の「レッド&グリーン」の塗装で残る国内最後の機体となりました。果たして「なると」にとっては幸せだったのかどうか・・・
f:id:meihokuriku-alps:20190907121133j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190907121136j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190907083320j:image

 

機内にはシミュレーターだった頃の名残がいくつかあります。待合室代わりだったのか?当時使われていたと思われる座席が設置されています。また、壁にはJDA時代の塗装のYSのイラストが掲示されていますが、説明文をよく見ると2006年のYS退役まで言及されていますし、その横には明らかに切り貼りされたTDA時代からのロゴとJASの社名が。一から作ることができなかったから無理矢理切り貼りしたのかなと、変なところで涙ぐましい努力を感じてしまいました。


f:id:meihokuriku-alps:20190907083435j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190907083357j:image

 

コクピットはシミュレーター用にモニターが後付けされていますか、それなりに当時の雰囲気は維持されています。シミュレーターとしては2016年に運用を終えており、現在は単なる展示物の一つになっているようです。
f:id:meihokuriku-alps:20190907083350j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190907083343j:image

 

そして外に出て改めて機体を見てみると、左横に見たことあるような機体が・・・


f:id:meihokuriku-alps:20190907083336j:image

 

 

 


f:id:meihokuriku-alps:20190907083353j:image

 

 

 


f:id:meihokuriku-alps:20190907083437j:image
f:id:meihokuriku-alps:20190907083607j:image

 

みんな大好きDC-10(JAS仕様)

 

私の動画でも取り上げた事のある、JASが2機だけ購入したDC-10の1/25モデルプレーンです。以前は博物館のエントランス部分に鎮座していたのですが、博物館のリニューアルに伴い、2014年頃からこの場所に置かれているようです。どこかのブログで見た気がするのですが、このDC-10は最初から博物館の展示用だった訳ではなく、JASのどこかの支店に飾られていたのを引き取ったとかなんとか。詳細ご存知の方がいたら教えて下さい。


f:id:meihokuriku-alps:20190907083330j:image

 

以前はJASの特集コーナーがあったそうですが、リニューアルで撤去されてしまったようです。一度見て見たかったですね・・・

 

現在、電車とバスの博物館に残るJAS関係の展示はこの2点だけです。以前のDC-10の扱いやJASコーナーが消えたことを考えると、東急内でのJASの記憶は薄れてきているのかなと感じてしまいます。JALとの統合でJASの名前が消えてはや15年、JASの名前を聞いたことがあってもJASが東急グループだった事を知らない人も多いのではないでしょうか。

それだけに、今電車とバスの博物館に残っているJA8662の機首とDC-10の模型は「東急グループに日本エアシステムと言う航空会社が存在した」と言う生き証人と言えます。展示スペース的に傍に追いやられた感はありますが、1日も長く展示されて欲しいですね。

ここの滞在は30分程度で切り上げ、次の目的地に移動しました。

 

↓この後の行程はこちら

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

にほんブログ村 旅行ブログ 飛行機旅行・空の旅へ
にほんブログ村

ANA316便(富山〜羽田)搭乗記 〜新幹線があるのに敢えて空路を使う理由〜

8月31日、JALのA350搭乗の前日に東京入りしましたが、いつも通り空路で向かいました。新幹線が開通した今、東京への移動に空路を使いまくる人間なんてそう多くはないでしょうねw

 

↓この旅最大の目的はこちら

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

f:id:meihokuriku-alps:20190906111306j:image

今回は富山発の2便目、9:35発のANA316便を利用しました。現在、富山〜羽田線は通常はボーイング737-800、夏場の一部の便はエアバスA321が就航していますが、ANAは需要に応じてこまめに機材変更を行っており、昨年まで1往復だけ飛んでいたボーイング767や、新幹線開業までは頻繁に飛んでいたボーイング777や787もたまに機材変更で富山に飛来します。この日の316便も767での運航でした。

 

f:id:meihokuriku-alps:20190906111155j:image

 

この日のシップはJA611A。2003年製造の機体で元々は国際線用のER型でしたが、昨年ドメ転(国内線転用)したようです。この先も国際線用767のドメ転→古い767の砂漠送りが続くと思いますが、そのうちウイングレット付きの詫び767もドメ転するんでしょうか?
f:id:meihokuriku-alps:20190906111150j:image

 

さて、話は変わりますが、私は北陸新幹線開業以降、東京への移動は極力飛行機を利用しています。北陸新幹線が開業し、富山〜東京が2時間ちょっとで結ばれた今、敢えて飛行機を選択する方は少数派だと思いますが、それでも私が飛行機を選択し続ける理由をお話ししたいと思います。

 

理由1.マイルのため

新幹線で往復してもマイルを貯められるのはANAカード決済のポイント分のみ。一方の飛行機はANA valueやsuper valueだと富山ー羽田間の基本マイルは132マイル。これに加えANAカード決済だと10%の加算マイルがつく他、100円ごとに1マイルのボーナスマイルが加算されます。もちろんポイントも別に付きますので、値段にもよりますがトータルすると富山〜羽田を片道乗るだけで概ね300〜400マイルが貰える計算になります。

これに加えてANA系列の店舗で買い物をすれば100円か200円に1マイルの割合でボーナスマイルが付きますので、飛行機以外でもマイルが貰えるチャンスがあるのが嬉しいところ。マイルを貯めない人には分からない理屈ですが、貯めてる人間は一度「マイル輪廻」にはまってしまうと容易には抜け出せないんです・・・

 

理由2.駐車場が無料

富山空港の魅力の一つが「広大な無料駐車場」1000台以上停められる駐車場は車社会の富山県では新幹線に対する優位性の一つです。

一方の新幹線は富山駅と新高岡駅に「パークアンドライド」サービスがありますが、富山駅は事前予約制の上に24時間毎に1000円かかりますし、新高岡駅も開業当初は無料だったのが現在は有料と、お金がかかります。特に富山市南部や砺波地区など、車移動が主流の地域にとっては駐車場が有料か無料かは心理的な抵抗感は違うのではないでしょうか。

 

理由3.単純に飛行機に乗りたい

まあ、これに関しては好みの問題ですよね。しかしこれは次の理由に繋がるものでもあります。

 

理由4.乗らないと富山空港が無くなるから

ある意味これが私が空路を使う最大の理由です。富山空港の国内線は羽田線以外では札幌しかなく、国際線はソウル、上海、大連、台北がありますが、いずれもハンドリング業務はANAに委託しています。

もし羽田線がなくなると残りは札幌1往復しかなく、正直利用率も良くないので羽田線と同時に辞めてしまうかもしれません。さらにANAが撤退してしまうとハンドリング業務を委託していた国際線も維持できず撤退、となってしまいます。つまり、羽田線が無くなるのは富山空港から航空路線が消滅しかねない死活問題であり、富山県が羽田線の利用促進に躍起になっている理由でもあります。

北陸新幹線は黙っていても利用者はたくさんいますが、富山〜羽田線は意識して使わないと消滅しかねないので、私は極力空路を使っている、と言うわけです。羽田線に限って言えば空路も新幹線と遜色ない料金ですし、朝や夕方の利用しやすい時間帯に飛んでいるので、今はまだ空路の利便性は高い方だと思います。

しかしそれも利用率が悪ければ減便され兼ねませんし、利便性低下は更なる減便や、最悪空路廃止にも繋がります。羽田国際化で国内だけでなく海外へも行けるようになった今、羽田路線廃止はその利便性を奪う事になりますので、極力維持してほしいですし、その為には出来るだけ空路を使って行きたいなと思います。


f:id:meihokuriku-alps:20190906111147j:image

ほぼ定刻通りにANA316便は羽田空港に到着しました。10月1日からは京急の値下げで羽田からのアクセスは更に便利になるでしょう。新幹線の方が便利なのは言うまでもありませんが、それでも富山にも空路は必要だと思います。その空路を残す為に私達ができるのはやはり「乗る事」ではないのかなと思います。

 

↓この後の行程はこちら

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

にほんブログ村 旅行ブログ 飛行機旅行・空の旅へ
にほんブログ村