福岡空港に戻り、帰りの飛行機に乗る時間が来ました。普通なら福岡〜小松線か羽田経由で富山に向かうところなのですが、押さえていた格安料金での予約を決済忘れで流すと言う痛恨のミスを犯してしまいました。
急遽貯めていたマイルを使って特典航空券を探しましたが、福岡〜小松線は既に満席、羽田経由だとマイルを2区間分使う事になるので無理。結局、福岡〜中部線で特典航空券を取り、名古屋から高速バスで富山に戻る事にしました。
今回乗るのはANA442便、機材はボンバルディアダッシュ8-400です。もっとも、ボンバルディアはダッシュ8事業をカナダのバイキングエアに売却し、名前も「デ・ハビランドカナダDHC-8-400」になりましたが、ANAでは今のところ名前はそのままです。
↓プロペラ機に関してはこちらの記事も参考にして下さい。
となりのゲートの鹿児島行きJAC便とほぼ同じ時間に搭乗開始です。と言っても両方ともバス移動ですが。
これで鹿児島まで行くのか(違)
バスに揺られる事数分、搭乗する飛行機が見えて来ました。ジェット機に比べるとやはり小さいですね。
機内に入りました。小型のプロペラ機なので機内は広いとは言えません。一時間ちょっとくらいなら問題ないと思いますが、長距離路線でこの機材は勘弁かな。
座席もそれほど余裕があるとは言えません。窓側席は機体の形状の関係もあって足元は狭まり、多少圧迫感を感じます。片足を狭め、若干内股気味にするように座る、と言えば分かって頂けるでしょうか。景色を重視しない方なら通路側の方が快適に過ごせると思います。
ちなみに座席はプロペラのすぐ隣。この席の方が回るプロペラを見られて臨場感があるかと思ったのですが、後に少し後悔する事に・・・
そして飛行機は福岡空港の離着陸の順番待ちで多少待たされた後に離陸。離陸時は最大出力を出す為か、相当なエンジン音が響きます。これ、ひょっとしたらジェット機よりも音が大きいかも・・・
しかしその騒音も離陸後しばらくしてまで。ある程度高度が上がると騒音は小さくなり、ジェット機よりも上昇は緩やかなので存分に景色を堪能する事ができました。
飛行機は瀬戸内海→和歌山沖→紀伊半島→志摩半島→長島近辺→中部空港というルートで飛行しました。ジェット機よりも低い高度を飛ぶ為、雲に遮られる事なく景色を眺められます。離陸時はプロペラ近くの席を取った事を後悔しましたが、巡航高度にさえ入れば快適そのもの。プロペラから離れた席を選べば騒音も少なくなるので、景色狙いの方は前方か後方の窓側席をオススメします。
ちなみに、ダッシュ8の難点はオーディオサービスがない事。また、機内モニターもない為機内安全ビデオもなく、CAさんのアナウンスとデモンストレーションになります。まあ、今のご時世こちらの方が珍しくはありますので、これはこれでいいですがw
やがて機体は高度を下げ、石油備蓄基地や工業地帯が見えてくると中部空港到着。到着後は再びバスでターミナルに移動しましたが、CAさんがドアから手を振って見送ってくれたのが印象的でした。プロペラ機は小さい分、乗客と乗務員さんの距離が近い気がします。物理的にも心理的にも。
と言うわけで久しぶりにプロペラ機に乗った感想ですが、乗り心地はジェット機と遜色はないという思いには変わりありません。ただ、やはりプロペラ機の弱点は随所に見られるなと感じました。
まず機内は広くて快適、とはやはり言えません。サービスに関してもジェット機より減りますし、機内持ち込み可能な手荷物も一回り小さくなります。振動に関しても機体が小さい分、ジェット機よりは目立ちました。搭乗に関してもボーディングブリッジ使用がしづらい分、バス移動になる確率は高いです。
それでもプロペラ機を選ぶメリットもあります。まずジェット機よりも低空を飛ぶ為景色はいいです。小さい機体なので座席は必ず窓側か通路側となり、真ん中の席になる事はまずありません。また、機体が小さくなる分運行頻度は上がるので、結果的に本数が増えて便利にもなっています。直接的なメリットは少ないかも知れませんが、運行経費の安いプロペラ機を飛ばす事で増便や路線維持と言う、目には見えないサービスを提供している、と言うのがプロペラ機最大のサービスなのではないかと思います。
確かにプロペラ機はジェット機と比べると劣っている点は少なくありません。しかしプロペラ機のおかげで利便性が維持されている路線も少なからずあり、特に離島ではプロペラ機が島の生命線ともなっています。昔に比べたらジェット機とプロペラ機の格差も縮まっており、RACのダッシュ8貨客混載形のようにジェット機よりも足元が広いプロペラ機も存在します。JACのATRも革張りシートで乗り心地は良さそうなので、いつか乗ってみたいですね。
中部空港に着いた後は名鉄で名古屋駅まで移動、そこから高岡行きの高速バスに乗り換えました。