〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

仙石線&仙石東北ライン乗車とちょっとだけ松島観光

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12月29日の朝、「百万石ドリーム政宗号」で仙台に到着後、駅前の立ち食いソバ屋「そばの神田東一屋」で朝食をとってから電車で石巻に向かいます。地元では結構有名な店みたいですね。

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 ↓これまでの行程はこちら

www.meihokuriku-alps.com

 

最初は仙石東北ラインですぐ石巻に向かうつもりでしたが、ふとホームの前の階段に張られた案内文を見て「そう言えば随分と松島行ってないよなあ」と思い、急遽松島にも寄ることにしました。この案内文の通り、松島へは東北本線の「松島駅」ではなく、仙石線の「松島海岸駅」が近いので、仙石線のホームに向かいます。

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仙石線の通勤電車に揺られること約40分ほどで松島海岸駅に到着。仙石線は初めて乗りましたが、仙台駅の仙石線ホームは地下にあり、4両編成の通勤電車が高頻度で行き交う光景はJRの地方路線らしからぬ風景。仙台駅近郊は地下区間を通り、途中の東塩釜駅までは複線・一部高架化されているなど、編成が短いことを除けば都会の通勤路線という感じです。

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実際、仙石線は最初から国鉄の路線として建設されたわけではなく、元は宮城電気鉄道という私鉄の電気鉄道がルーツでした。第二次世界大戦時の戦時買収で国有化され、以後は国鉄の仙石線となります。戦後は主に首都圏で使用されていた古い通勤型電車の転属で賄われ、現在は山手線や南武線で使用されていた205系電車が使用されています。

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さて、次の電車まで約40分ほどですが、少しだけ松島を歩くことにします。松島に来たのは10年ぶりでしたが、ここも震災の影響で以前とは少し変わってしまいました。確か以前はお土産屋の前は松林が広がっていたはずですが、きれいに整備されていました。おそらく震災直後はひどい状態だったんでしょうね・・・
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瑞巌寺に向かう境内に「鉄道殉職者弔魂碑」がありました。昭和47年に鉄道100周年を記念して、当時の国鉄仙台管理局が建てたそうです。鉄道の発展の礎となった方々の冥福を祈り、手を合わせました。
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さて、松島海岸駅に戻って先を急ぎます。一旦高城町駅行きの列車に乗り、高城町で仙石東北ラインの快速列車に乗り換えです。高城町駅は高架化されてないからか、なんとなく私鉄の駅な雰囲気が残ってますね。仙石東北ラインは仙台からここ高城町までは東北本線を走り、高城町駅近くの連絡線で仙石線に入って石巻まで走行します。つまりここ高城町駅は仙石線の普通列車と仙石東北ラインの乗換駅ということです。


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数分して石巻行きの列車が到着しました。こちらの列車も4両編成ですが、電車ではなくハイブリット式の気動車です。この仙石東北ラインは以前は仙台~石巻間は仙石線の快速列車が主流でしたが、仙石線は駅間距離が短く、追い越し設備もないため快速列車の増発やスピードアップが難しい線区でした。そこでJRになってしばらくしてから駅間距離が長く線形もいい東北線を活用し、東北線と仙石線を直通する列車の設定が計画されましたが、電化設備の違いが障害となります。

東北線も仙石線も電化路線ではありますが、東北線は交流電化、仙石線は直流電化と電化方式が違っており、連絡線の電化とデッドセクションを設ける必要がある上に交直流車両を用意する必要があります。しかし、JR東日本には地方路線用の交直流電車がないうえに(常磐線用のE233系など首都圏にはあるので技術的に不可能というわけではありません)、費用面で折り合いがつかず計画はありながら長年実現には至りませんでした。

この状況を打破したのがJR東日本が開発し、実用化させたハイブリッド気動車。分類上はディーゼルエンジン搭載の「気動車」ではありますが、エンジンはあくまでも「発電用」で、実際に駆動させるのはエンジンで発電したり蓄電池に貯めた電気で回すモーター。気動車でありながら電車の性格も持った車両で、走行性能も電車とそん色ありません。この車両が実用化されたことと、東日本大震災後の復興事業という理由ができたことで工事が進められ、2015年5月30日に運転を開始しました。

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実際に乗ってみると停車時は無音、発車後もしばらくは無音で走ります。一定の速度が上がるとディーゼルエンジンの音が車内に響いてきました。普通の気動車だと発車時→低速時はディーゼルエンジンで加速し、一定の速度に達したら惰行運転となってエンジンの音は小さくなるのですが、このハイブリッド気動車に関しては逆。この気動車らしからぬ走行音は独特ですが、乗り心地は快適そのもので国鉄型気動車の「もっさりした加速で乗り心地もよくない」という従来のイメージは全くありません。これなら無理に電車を走らせなくても問題ないですね。


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そして車両は石巻駅に到着。仙台~石巻間を最速60分で結ぶ仙石東北ラインのおかげで石巻への移動はかなり便利になりました。震災直後は交通網がズタズタになった石巻ですが、結果的にそれが仙石東北ライン実現のきっかけになったと思うと少々複雑な気もしますが、復興が着実に進んでいるという証拠でもあります。石巻からの帰りもこの仙石東北ラインを利用しましたが、年の瀬にも関わらず仙台につく頃には立客も出るほどの盛況ぶりでした。この仙石東北ラインの事業費は18億円ですが、この盛況ぶりを見る限りでは凄くコスパの良い投資だったのではと思います。これからも仙台と石巻を結ぶ動脈として仙石東北ラインには頑張ってほしいですね。

石巻駅に着いた後はしばらく市内観光をした後、田代島に向かう船に乗ります。

 

 

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