〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

デルタ航空「成田撤退」正式に決定・・・ノースウエスト時代から続くハブ機能、終焉へ

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一部ニュースサイトの記事によると、デルタ航空の本社のあるアトランタの地元紙が、デルタが2020年夏の東京オリンピックまでに成田空港から完全撤退する計画だと報じました。ここ数年、成田発の路線を縮小し続けてきたデルタ航空は何度も「日本市場縮小」「成田撤退」が囁かれてきましたが、遂に現実のものとなってしまいそうです。

sky-budget.com

 

【8月10日追記】

5月に仮承認されたアメリカ運輸省の羽田発着配分の正式承認を受けて、デルタ航空が成田空港の発着機能を羽田空港に移転すると正式に発表しました。来年3月の羽田発着枠増加と同時に成田~マニラ線を含むすべての路線を廃止し、羽田路線に集約することになります。また、成田~マニラ線の代替として仁川~マニラ線を開設する予定で、名実ともにデルタのアジアハブは仁川に移る事になります。

一方で羽田発着路線は7路線、一日7往復を運航することになり、羽田発着のアメリカ航空会社としては最多の便数を運航することになります。ハブ機能が無くなる分、今後は日本市場やアメリカ側の乗り継ぎも考慮したダイヤが組まれる可能性もあります。

www.traicy.com

 

news.delta.com

ちなみに、デルタの英語版サイトによると、使用機材はアトランタとロサンゼルスが777-200ER、デトロイトとミネアポリスがA350-900、シアトルがA330-900neo、ポートランドがA330-200、ホノルルが767-300ERと見事に分かれており、大抵の長距離用機材が羽田に来ることになります。特にシアトル線に投入されるA330-900neoはまだデルタには2機しかいない最新鋭機。A350-900と合わせ、新型機を優先して日本路線に入れるあたり、デルタの力の入れようが分かりますね。

 

デルタの成田路線は元々はパンナムと並び太平洋路線を運航してきたノースウエスト航空が築き上げたアジア地区のハブでした。日本からの以遠権を行使してソウル、上海、台北、香港、マニラ、バンコク、シンガポールなどアジア各地に広大な路線網を築き、日本でもノースウエストの知名度は高いものでした。アメリカのみならず、アジア各地への旅行にノースウエストを利用したという方もいるのではないでしょうか。2002年以降はアジア路線やグアム・サイパン線用にエアバスA320やボーイング757を常駐させて運航し、日本支社には運航管理部門を置いたりボーイング747の整備拠点を設けたりと、ノースウエストにとって成田は「アジアのハブ拠点」と言える存在でした。

 

デルタと合併した後もしばらくは成田は太平洋路線の拠点空港であり続けました。2011年のデルタの成田路線は週196便(1日平均28便)が運航され、外国の航空会社としては最多、全体でもJALとANAに次ぐ3番目の便数を誇りました。2014年10月には成田空港の格納庫の使用契約を結び、「成田オペレーションセンター」を開設するなど引き続き成田を太平洋路線のハブとして重要視するかに思われました。

 

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しかし、2010年10月の羽田空港の再国際化がデルタの成田ハブの地位を脅かします。都心から近い羽田からのアメリカ直行便が開設されればデルタの成田ハブが脅かされるばかりか、国内線からの乗り継ぎが容易になるため日本側の提携相手を持つユナイテッドやアメリカンが俄然有利になってしまうため、デルタは羽田発国際線の拡大に難色を示しました。羽田の発着枠を20便以上要求したり、成田撤退をちらつかせたり、果ては経営破たんしたスカイマークの再建スポンサーに手を上げたりとあの手この手で権益確保に走りますが、上手くは行きませんでした。2014年に羽田発の昼間の中長距離国際線が解禁された後もアメリカ路線だけは2年間拡充されませんでしたが、これもデルタが強硬に反対して調整が出来なかったためでした。

結局、アメリカ路線の配分は2016年になって実現し、デルタは2枠を割り当てられましたが、成田路線を移すには不十分であり、他の会社が歓迎のコメントを出す中デルタだけは否定的なコメントを出すなど、不満を隠そうとはしませんでした。

 

そして、この辺りからデルタの「成田離れ」が始まります。2016年10月にはニューヨーク、ロサンゼルス、ミネアポリス(羽田移管の為)、バンコク、関西の5路線を一気に廃止したのを皮切りに、2017年5月に台北線を、2018年1月にはグアム線を廃止。5月にはサイパン線とパラオ線も廃止して常駐していたボーイング757も引き上げました。さらに7月には上海線も廃止してデルタの成田便は週53往復と最盛期の4分の1にまで縮小してしまいました。

そして2019年5月、羽田空港の発着枠拡大に伴うアメリカ路線枠の配分で、デルタ航空は申請していた5路線6便分のうち、ホノルル線一往復を除く5路線5便分が認可されます。これによってかねてより噂されていたデルタの羽田拠点化、成田撤退が現実味を帯びてきましたが、この時私は「以遠権を持つシンガポールとマニラの権益維持の為、アトランタかデトロイトのどちらかは成田に残すかもしれない」と予想しており、完全撤退までは行かないだろうと思っていました。

 

※その時の記事と予想はこちらをご覧下さい↓

www.meihokuriku-alps.com

 

しかし最近、成田~シンガポール線が9月22日で廃止されるとの発表があり、次いで成田~マニラ線の来年4月以降の航空券販売を中止するとのニュースが流れました。この2路線の廃止でデルタの成田発アジア路線は消滅し、ノースウエスト時代から維持してきた日本からの以遠権を行使した路線も消滅することになります。そして今回の成田撤退報道。どうやらデルタは日本からの乗り継ぎ需要は諦め、日本市場は日本~アメリカ間の旅客移動に専念するという事になりそうです。

www.traicy.com

www.traicy.com

 

その一方でデルタは同じスカイチームの大韓航空との協力関係を強化し、2018年から太平洋路線での共同事業を開始します。太平洋路線の全路線でコードシェアを実施し、アジア各地へは大韓航空の路線網を利用するなど、事実上、アジアのハブ機能を成田から仁川に移したようなものでした。今回の成田発アジア路線の廃止はノースウエスト時代から続いてきたデルタの成田ハブが名実ともに終焉することを意味しています。

www.traicy.com

 

まだ一部報道のみなのでデルタ側の正式発表を待たなくてはいけないと思いますが、羽田発着枠が配分された時点でこうなる事は既定路線だったのかも知れません。

デルタ側から正式に発表があった事で、デルタの成田撤退→羽田集約は決定的となりました。個人的には伝統のハブ機能が消えてしまうのは残念ですが、日本側に協力相手がいないデルタはむしろよくここまで持ちこたえたなと思います。

それに、今年に入ってデルタは関空~シアトル線を開設しましたし、2017年にはいち早く最新鋭機のエアバスA350-900を日本路線に投入しました。相次ぐ路線縮小は日本市場軽視と取られても仕方ないと思いますが、本当に日本路線をどうでもいいと思っていれば新路線を開設したり、最新鋭機を真っ先に日本路線に入れたりはしないでしょう。乗り継ぎ拠点としては必要性が無くなっても、デルタにとっては日本市場は有力なものである事に変わりはありません。むしろハブ機能が無くなる分、より日本市場やアメリカ側の乗り継ぎを重視したダイヤを組むことが可能となりますので、むしろ利便性は上がるのではないでしょうか。

羽田集約でアメリカへのアクセスはむしろ良くなりますし、デルタにしても客単価の高いビジネス客を確保するには羽田集約はむしろプラスになるのではないかと思います。今回の羽田集約はデルタにとっては大きな転換期になるのは間違いないでしょう。ネガティブな面ばかりが注目されてしまうデルタの日本路線縮小ですが、長年日本とアメリカとの懸け橋になってくれたのもまた事実。形は変わっても、これからも日本路線を大事にして行って欲しいなと思いますし、我々利用者もデルタが本当に日本市場を見限らないよう、機会があれば利用していきたいですね。

 

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【8月6日追記】

デルタの成田撤退を報じるネットニュースが増えてきました。やはり来年夏スケジュール以降の羽田発着枠配分に合わせて成田からは撤退し、羽田に一本化する見通しです。アメリカ運輸省(DOT)の発着枠配分の正式決定後に発表する見通しで、今回デルタに有利に配分されたのもノースウエスト時代からの日本への投資や、日本側のパートナーがいないことが考慮されたようです。

ノースウエストやデルタが広大な路線網を維持していたのも自社でアジア各地への「際際乗り継ぎ」を重視していたからですが、航空機の航続距離が延び、アジア各地への直行便が開設されて成田乗り継ぎの必要性が薄れた事、またデルタの場合は大韓航空とのJVが軌道に乗って来たのも成田ハブ撤退を決めた理由の一つなのではないかと思います。いずれにせよ、今のデルタの路線規模では成田と羽田に分散するのは非効率であり、羽田集約は必然だったのかも知れません。

 

成田撤退が濃厚となった今、今後は成田空港にあるデルタの格納庫をどうするかが問題ですが、デルタは自社以外にも複数の航空会社の整備委託を受けており、スカイチームの盟主として成田に移ったからと言ってすぐに辞めるわけには行かないのではと思います。当面はそのまま続けるのではないかと思いますが、それもいずれ成田に就航するスカイチーム加盟会社のどこか(恐らくKEかCIだと思いますが)に委託するのではないでしょうか。

そして成田からデルタが去ったと言っても、デルタが日本市場を軽視するわけではなさそうです。羽田移転を機に日本市場を強化する方針で、今後は乗り継ぎ需要を考慮しなくて良くなる分、都心に近い羽田の利便性を最大限アピールしてビジネス需要を取り込んでいくのではないでしょうか。羽田に移ってもデルタには引き続き日本とアメリカの懸け橋であり続けて欲しいですね。

 

www.aviationwire.jp

 

↓成田空港を発着する飛行機のマーキング図鑑。表紙にはデルタの飛行機が写っていますが、成田では当たり前だったこの光景も来年には過去のものになってしまうのでしょうか・・・ 

 

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JALとANAがウラジオストクに同時就航・・・供給過剰にならないの?

日本航空(JAL)と全日空(ANA)はほぼ同時に来年春からの成田~ウラジオストク線の就航を発表しました。両社が競合する路線は数あれど、空港の開港や発着枠増加という要因がないのにほぼ同時に同じ路線に就航するという事は国際線では初めての事ではないでしょうか。


www.aviationwire.jp

 

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まずは両社の就航計画を見て見ましょう。JALはボーイング737-800型で夏スケジュールは一日1往復のデイリー運航。冬スケジュールは別途発表です。ダイヤは

成田11:20→ウラジオストク14:45

ウラジオストク16:25→成田17:40

となり、夏ダイヤ開始とともに就航したいとしています。

www.traicy.com

 

一方のANAですが、今回は冬スケジュール期間中の開設としか発表されず、運航スケジュールや機材、就航日については決まり次第発表となっています。機材はA320neoの可能性が高いですが、具体的なダイヤや機材も発表したJALに比べると出遅れ感が否めません。発表もJALの翌日と言う事を考えると、元々就航計画はあったものの、具体的な内容を練っている間にJALが先に発表してしまったため、ANAも慌てて発表したのかも知れません。

www.traicy.com

 

さて、日本~ロシア極東間の路線は基本的にロシア側の会社によって運航されてきました。現在成田~ウラジオストク線を運航してるのはワンワールド加盟会社のS7航空の週7往復とアエロフロート(但し運航はオーロラ航空)の週5往復の計12往復。この他にS7航空が成田~ハバロフスク線を週3往復、成田~ノボシビルスク、イルクーツク線をそれぞれ週1往復、関空~ウラジオストク線を週2往復運航しています。ここに来年からは日本側のJALとANAが一気に就航するわけですから、成田~ウラジオストク線は4社運航となり、恐らく座席供給量も倍になるでしょう。

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ここで疑問に思うのが「それだけ一気に便数増えて供給過剰にならないの?」と言う事。今でこそロシアから日本に来る際はビザ要件が緩和されていますが、日本からロシアに行くには未だにビザが必要なため、ロシアへの観光旅行へのハードルはまだまだ高いです。日本から海外に行く場合、大抵の国はビザなしで渡航できますし、日本から直行便が飛んでいる国でビザが必要なのはロシア、インド、パキスタン、カンボジア、エジプト、エチオピア、カタールの7か国しかありません。しかもロシアとパキスタン以外は空港到着後の申請で済んだり、事前に電子申請を済ませればビザが発給されたりとビザ取得のハードルが低いので、如何にロシアへの渡航のハードルが高いかがお分かりいただけるでしょう。

 

但し、今回JALとANAが就航予定のウラジオストクに関しては少々事情が異なります。2017年8月1日からウラジオストクのみの訪問であれば入国4日前までにロシア外務省の専用ページで申請すれば、8日間以内の滞在が可能な電子ビザが発行されることになり、以前に比べるとビザ申請のハードルは下がっています。実際、電子ビザの導入後は年間1万人も行けばいい方だったウラジオストクへの日本人観光客は1万8000人以上に急増、この勢いはまだ続いているそうです。最近ではウラジオストク版の「地球の歩き方」も出版されており、「日本から一番近いヨーロッパ」とも言われるウラジオストクの注目度はじわじわと上がってきているのです。JALやANAがこの路線に目を付けたのは、ロシアからの訪日客増加だけでなく、日本からウラジオストクへの観光客増加も見越してではないでしょうか。

 

tokyo.mid.ru

 

withnews.jp

 

ただし、それでも座席供給数が倍増する成田~ウラジオストク線が供給過剰ではない、とは言えません。電子ビザで簡素化されたとはいえ、それでもビザ取得が必要な事に変わりはなく、またかつて軍事拠点で外国人はおろかロシア人でさえ立ち入りが厳しく制限されていた過去から、ウラジオストクに心理的な壁を持っている人はまだまだ多いと思います。観光拠点として伸びる土壌はあるとは言え、ウラジオストクは日本人にとってはまだまだ「近くて遠い都市」なのです。

そんな中で発表されたJALとANAのウラジオストク就航ですが、正直な事を言えば特にANAは楽観視できないと思います。と言うのも現在成田~ウラジオストク線を飛ばしているS7航空もアエロフロートもJALと提携しており、相手国側でこれらの会社の支援を受けやすく、コードシェアもやりやすいJALに比べると、ANAは自力でウラジオストク側の地上支援や販売体制を構築する必要があるためです。ANAは今年の10月にもパースとチェンナイに就航しますが、これらの新規路線も提携相手の支援を受けにくい路線。この上、参入条件の良くないウラジオストクにまで手が回るのかという心配はあります。就航後も提携関係にあるJAL、S7、アエロフロートがこの路線でも手を組んでしまったら、ANAはかなり苦しい戦いになるでしょう。今回の発表の情報量の差を見ている限り、どうもANAが苦戦しているように見えるのですが・・・

 

とは言え、日本側の航空会社が就航することでウラジオストクの注目度が高まり、観光客増加の呼び水になる可能性は十分考えられます。また、来年の東京オリンピックを機にロシアとのビザ要件がさらに緩和されれば、行きやすくなったロシアへの観光需要自体が増えて、手軽に行けるヨーロッパとしてウラジオストクへの観光が爆発的に増えるかも知れません。来年の就航後、ウラジオストクやロシアへの観光客がどう推移するか、供給過剰で共倒れにならず上手く共存できるのか注目していきたいですね。

 

 

【10月31日追記】

JALとANAのウラジオストク線のスケジュールが決まりました。先に発表したのはANAで、来年3月16日から月曜と金曜の週2往復、A320neoで就航させると10月23日に発表しました。

www.aviationwire.jp

ところが 10月30日、JALは当初3月29日を予定していた成田~ウラジオストク線の開設を前倒しする方針を固め、2月28日に水・金・日曜の週3往復で就航させると発表しました。さらに3月29日からは1日1往復に増便と、就航日で完全にANAを出し抜いた上に便数でも圧倒的な差を付けてきました。機材はボーイング737-800型機を使用。とりあえず、成田~ウラジオストク線の前哨戦はJALの圧勝と言っていいでしょう。

 

www.aviationwire.jp

 

これでANAは就航日でも便数でもJALに差を付けられ、出鼻をくじかれた形です。この先更に就航日を前倒しにして対抗するんでしょうか?いやいや、現地支店の立ち上げや就航準備などを考えると来年3月でもスケジュール的にはギリギリでしょうから、変に対抗心むき出しにして前倒しにしても痛い目を見るだけ。S7航空の支援を受けられそうなJALと違い、ANAは自力でウラジオストク側の受け入れ準備をしなければいけませんから、無理はできないと思います。ウラジオストクに関しては当面はJAL優位となりそうですが、ANA側も巻き返しの為、何か仕掛けてくるかも知れません。ウラジオストク線を巡る両社のせめぎあいに今後も目が離せません。

 

 

↓記事内でも取り上げた、ウラジオストクの「地球の歩き方」。モスクワやサンクトペテルブルクはまだないらしいので、この点からもウラジオストクへの観光需要が高まっていることが伺えますね。渡航予定はなくても一度手に取って眺めてみるだけでもウラジオストクと言う都市を知れていいかも知れません。

 

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今残ってるJA8000番台の旅客機と貨物機(2019年7月現在)

昨年3月に旅客機の登録記号にまつわる動画を出し、関連する記事を書きましたが、その際「2018年2月現在、登録中のJA8000番台の旅客機は残り56機」と紹介しました。あれから約1年半、今JA8000番台の旅客機はどれだけ残っているのでしょうか?気になったので調べてみました。

 

↓登録記号にまつわる動画はこちらをご覧下さい。

 

↓以前書いた記事はこちら。

www.meihokuriku-alps.com

 

 

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まず全体の総数ですが、2019年7月現在で登録されているJA8000番台の旅客機は32機でした。動画を出した2018年2月に比べると24機減少した事になります。現在JA8000番台の旅客機を保有しているのはANA、ANAウィングス、JAL、日本トランスオーシャン航空(JTA)、日本エアコミューターの5社だけで、他のグループは保有していません。

RACのDHC-8-300が売却されて登録抹消され、まとまった数のJA8000番台の機体があったANAのA320ceoや737-500も今や風前の灯火。JALの777はまだまとまった機数がありますが、これも9月からのA350-900投入で順次退役になる事でしょう。来年の今頃にはJA8000番台の旅客機は本当に数えるほどしかいなくなるのではないでしょうか。次はANA、JAL各グループごとに現在残っている機種と登録記号を紹介します。

 

 

ANAグループ(15機)

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B767-300(3機) JA8342、JA8669、JA8674

B767-300ER(1機) JA8971

B767-300BCF(7機) JA8286、JA8323、JA8356、JA8358、JA8362、JA8664、JA8970

A320ceo(3機) JA8946、JA8947、JA8997

B737-500(1機) JA8595

 

昨年2月には25機が在籍していたANAグループのJA8000番台の旅客機ですが、その後10機が退役しました。767-300、A320ceo、737-500が数を減らしています。

現在最も数が多いのは貨物機の767-300BCF。既存の-300ER型から改修された機体が活躍を続けていますが、その中には1989年6月登録のJA8286と10月登録のJA8362が含まれています。この二機は現在登録されている日本の旅客機・貨物機では最古参であり、80年代に登録された機体のうち航空会社登録で残っているのはこの2機だけ。特にJA8286は機齢30年を突破しており、貨物機改造されたとはいえかなりの長寿機です。果たしてこの2機、いつまで飛び続けることができるのでしょうか?

また、旅客型767のうちER型のJA8971は旅客運用から外れても他のER型同様貨物機改造されて生き永らえそうですが、そうでない-300型の3機は1994、95年製と古く、そう長くは運用されないのではと思います。

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さらに737-500型も来年の退役がアナウンスされている他、A320ceoはいつの間にか3機に減っており、現在発表されている10月26日までの時刻表を見ても10月以降は運航されない日が多くなっています。ひょっとしたらA320ceoの運用は10月の夏ダイヤ終了までかも知れません。737-500のJA8000番台とA320ceoは年内には消える可能性が高いと思いますし、767も貨物機以外はいつ運用から外れてもおかしくないと思います。来年にはANAのJA8000番台の飛行機に乗れなくなるかも知れませんので、乗りたい方や記録しておきたい方はお早めに。

 

JALグループ(17機)

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B777-300(2機) JA8944、JA8955

B777-200(5機) JA8977、JA8978、JA8979、JA8984、JA8985、

B767-300(6機) JA8975、JA8976、JA8980、JA8986、JA8987、JA8988

B737-400(1機) JA8995

サーブ340(3機) JA8594、JA8703、JA8900

 

一方のJALグループは昨年2月の時点では29機が在籍していました。777や767は昨年2月以降退役機はないものの、9機が在籍していた737-400や6機が在籍していたサーブ340の退役が進み、一気に数を減らしています。JTAのJA8995は書類上ではまだ登録が残っていますが、既に5月31日に離日しており、登録抹消も時間の問題だと思います。JACのサーブ340も今年度中の退役がアナウンスされていますので、こちらも乗れなくなる日はそう遠い日の事ではないと思います。

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一方、退役時期が読みにくいのが767。777に関しては先ほども触れたとおり、A350-900と入れ替わりに退役すると読んでおり、経年機のJA8000番台を先に退役させることは容易に想像できます。恐らく今年の秋から退役機が発生し、来年にはJA8000番台の777は全て退役するものと思われます。しかし767に関しては99年製のJA8988がいる他、777と違って国内線用機材の明確な後継機は決まっていません。787の発注残が国際線用-9型3機と伊丹発着国内線用-8型4機なので、数字の上ではこれらの機材投入でねん出された国際線用767やファーストクラス付きの767を改修して、JA8000番台の古い767の置き換え用にすれば良さそうですが、伊丹用787が置き換えとして想定しているのが「767と777」なので、基本幹線にしか使ってない777の退役を優先させ、地方路線で重宝する767は状態の良い数機をしばらく残しておく、という判断をするかもしれません。

 

最後まで残るJA8000番台の機体は?

来年3月までにはANAのA320ceoと737-500、JACのサーブ340は消えそうですし、JALの777もA350-900の就航が進めば入れ替わりで退役が進むことが予想されます。従って、最後まで残るJA8000番台の機種はANA、JALともボーイング767になる可能性が高そうです。

その中で最後まで残りそうなJA8000番台の機体はANAの767-300BCFで間違いありません。JA8000番台で一番新しい767-300BCFは1997年製のJA8970であり、JA8286とJA8362の例を考えるとあと5~6年は現役を続けられそうだからです。一方、「最後まで残るJA8000番台の旅客機」となると、機齢的にはJALの767-300、JA8988の可能性が高そうですが、ANAのJA8971が貨物機改造されることなく、旅客機のまま飛び続ければこちらが最後のJA8000番台の旅客機になる可能性もあります。

JA8000番台崩壊のきっかけの一つだったボーイング767が、JA8000番台の幕引きをする機種になりそうなのも感慨深いものがありますが、ある意味日本の旅客機を代表する機種の一つですし、これもまたいい幕引きの形なのかも知れません。来年にはJA8000番台の飛行機は更に記録しにくくなると思いますので、撮りたい方、乗りたい方はお早めに。

 

 ↓JA8000番台に限らず日本で活躍した旅客機のその後を追った本。解体されたり朽ち果てたりしている旅客機の姿は物悲しいものがありますが、一機一機丁寧に履歴を追っているのは流石だなと思います。

 

 

 

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出口が見えない737MAXの運航停止問題

7月24日にボーイングが発表した2019年第二四半期決算は29億4000万ドルの純損失を計上し、四半期ベースでは3年ぶりの赤字となってしまいました。言うまでもなく原因は737MAXの運航停止問題で、キャンセルや出荷遅れなどに伴う航空会社への補償として49億ドルを計上した事と、ボーイングの受注数の7割、売上高の3割、営業利益の半分近くを稼ぎ出す主力機の出荷停止で売上高が35%減少したのが大きく響きました。幸いなのは軍用部門とサービス部門が好調で利益が伸びている事ですが、それでも737MAXの穴を埋めるには至っていません。

 

www.nikkei.com

 

現在、ボーイングは737MAXの生産レートを月産52機から42機に縮小させていますが、運航再開のめどが立たないため、レントン工場やキング郡国際空港の駐機場には納入される見込みのない737MAXや修理待ちの737MAXが大量に置かれ、その数は増える一方。とうとう置き場所が無くなって空港の駐車場に737MAXを置くなど、問題の深刻さは目に見える形になっています。

headlines.yahoo.co.jp

ボーイングは10-12月期の早い時期にFAA(アメリカ連邦航空局)などの承認を得て運航再開させるという想定で生産や補償の計画を立てていますが、そのFAAの安全審査に時間がかかっており、6月には制御ソフトに新たな潜在リスクが見つかったり、アメリカ議会や各国の航空当局が安全承認に厳しい条件を求めるなど737MAXの運航再開にはまだ時間がかかりそうです。恐らく、ボーイングの想定通りの運航再開は絶望的なのではないでしょうか。

www.aviationwire.jp

www.nikkei.com

 

そして、運航停止の影響は737MAXを保有する航空会社にも出て来ました。737MAXを34機保有するサウスウエスト航空は7月25日、ニューアーク・リバティ空港への乗り入れを11月3日から停止すると発表しました。サウスウエストは基本的には一度就航した空港からは撤退せず、例外は空港移転で空港利用料が上がり、低運賃を実現できないとして撤退したデンバーくらいです(その後デンバーには2006年に再就航)が、737MAXの運航停止で2019年4~6月期決算では1億7500万ドル分の利益が押し下げられており、背に腹は代えられなかったようです。近くのラガーディアにも拠点があるため影響は大きくないですが、サウスウエストのポリシーを崩さなければならない程追い詰められたというのは衝撃的です。

24機を保有するアメリカン航空も737MAXの運航停止によって2019年通年で4億ドル分の利益が失われるという試算を出しており、運航停止が長引けばこれらの航空会社は経年機の退役引き延ばしや代替機の調達で凌ぐしかなく、特に737以外の航空機を使用していないサウスウエストの経営への影響は大きくなるでしょう。場合によってはしびれを切らせたサウスウエストがビジネスモデルへの影響を覚悟のうえで737以外(と言うかエアバスA320neo)の航空機の調達に動くかもしれません。世界最大の737ユーザーであるサウスウエストが737MAXを見限れば、ボーイングと737MAXにとっては致命的なダメージになり兼ねず、この点でも早期の運航再開が必須になってきます。

www.aviationwire.jp

 

headlines.yahoo.co.jp

 

 

そして737MAXの発注意向を示していた会社がエアバスに鞍替えしたり、長年737を使用してきた航空会社がエアバス機に切り替える動きも多くなってきました。サウジアラビアのLCC、フライアディールは昨年12月にボーイングと結んだ737MAX50機発注の覚書を破棄し、全く同じ内容でエアバスA320neoの発注に切り替えました。親会社のサウジアラビア航空のA320neo大量発注を受けてのものですが、737MAXの運航再開の見通しが立たない事も鞍替えの決め手になったようです。

 

www.aviationwire.jp

 

更に台湾のフラッグキャリア、チャイナエアラインもA321neo25機を導入する覚書をエアバスと取り交わしました。現在チャイナエアラインの単通路機は737-800型19機のみですので、機数的にこの機材の置き換え用と考えるのが自然でしょう。元々大型機はエアバスの割合が大きかったのですが、この発注が実現すればチャイナエアラインは完全にエアバス寄りの会社となる見込みです。

www.aviationwire.jp

 

一方でブリティッシュエアウェイズやイベリア航空などを傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は6月に737MAXを200機発注する覚書を交わしたと発表しました。現在IAG傘下の航空会社の単通路機はA320シリーズが主力ですが、この時期にあえて737MAXを発注すると発表したのは価格競争を促す狙いがあるようです。ただし、こちらはまだ覚書の段階で正式契約には至っていないので、フライアディール同様途中で破棄される可能性はまだ残っています。

www.aviationwire.jp

 

ここ一か月の間、737MAXに関するニュースは良いものがあまりありません。日本ではANAが737MAXの発注を決めたものの、次期主力機を検討しているスカイマークや、いずれ後継機の選定を検討しなければいけないJALやソラシドエアなど、現在737型機を使用している顧客は何社もあります。運航再開が長引けば、そして737MAXの安全性が証明されなければこれらの会社はエアバスに鞍替えするかも知れませんし、実際、スカイマークも佐山会長がツイッターで737MAXの運航再開には時間がかかるとし、度々疑問を呈しています。今後の展開次第ではボーイング優勢な日本市場も一気にひっくり返される可能性すらあり、そう言う意味でもボーイングは危機的状況であると言えます。

 

2度の墜落事故を起こし、事故後のボーイングの対応も後手後手に回り、運航停止後も不具合や問題の隠ぺいととられかねない事例が出てきたりとネガティブな情報が多すぎた事もあって各国の航空当局の心証を悪化させ、運航再開へのハードルを自ら上げてしまった点もボーイングにとっては不利に動いてしまったのではないかと思います。運航再開が長引けば長引くほどボーイングや運行会社には不利なのですが、だからこそ徹底的に問題点を洗い出して737MAXの安全性を証明する以外に事態打開の道はないと思います。ボーイングには失った信用を取り戻すためにも慎重かつ早急な対応を期待したいですね。

 

↓日本のボーイング737を紹介した本。これで打ち止めにならない事を祈ります・・・

 

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ゆっくり解説動画が書籍化⁉「奇書の世界史」8/23発売

このブログでは基本的に航空や鉄道を中心とした話題を取り上げており、他の話題は基本的に取り上げないようにしています。ですが今回はどうしても紹介したい書籍が出て来ましたので、あえてその原則を破ります。

 

私が好きな動画の中に「世界の奇書をゆっくり解説」というシリーズがあります。いわゆる「ゆっくり解説」のジャンルの動画の一つで、世界中の異端文学的な「奇書」の内容や生み出された背景などを開設する動画なのですが、実際に本を読んでいるかのような心地よいテンポの構成や語り、丁寧な作りやしっかりとした考察で非常にクオリティーの高いシリーズです。私自身もそのクオリティの高さと丁寧な構成に毎回驚かされ、目標にしている作者さんの一人です。

百聞は一見に如かず、もしご覧になったことがない方は第一回とシリーズのマイリストのリンクを張っておきますので、是非一度見て下さい。なお、それでハマって徹夜して体調や社会生活に支障をきたしても当方は一切関知いたしません(笑)

 

 

www.nicovideo.jp

 

 

で、今回紹介したい書籍、というのがこのシリーズの作者様である「三崎律日(Alt+F4)」様が書いた

「奇書の世界史」(KADOKAWA刊)です。

 

そう、「世界の奇書をゆっくり解説」シリーズが本になって全国の書店やネット書店で販売されるのです!こんな事、恐らくゆっくり解説動画では初めての事ではないでしょうか!詳細は是非上の動画を見て頂きたいのですが、内容としては動画で紹介された奇書12冊に加え、書き下ろしが2冊の合計14冊。動画で紹介された奇書が書籍ではどのように紹介されるのか、書き下ろしの奇書はどんな内容なのか、今から本当に楽しみです。

 

「奇書の世界史」の発売日は8月23日(金)、8月2日(金)より予約受付開始です。

※予定よりも早まって7月30日(火)から予約始まりました!

この本が売れれば人気動画の書籍化という新たな道が開かれますし、出版不況の中新たなヒット作の源泉となる可能性を秘めていると思います。それがなくとも個人的に三崎律日様の動画はもっと多くの人に見てもらいたいと思っていましたので、この書籍化がそのきっかけになればいいなと思います。ツイート見てたら「版数読みのためAmazonで予約して下さると助かります」と書いてあったので、予約をおすすめします。

 

何はともあれ、私が言いたいことはただ一つ。

発売されたら皆様是非買って下さい。

もちろん私も買います。

 

 【7月30日追記】

予定よりも3日早く、今日から予約開始されました!

三崎様のツイートによると「前例のない出版となるので出荷数も手探り。早めに予約してもらえるとフィードバックできる」そうなので、少しでも興味を持った方は是非早めに予約して下さい。私もさっき予約しましたので、8月23日に手元に届くのが楽しみです。届いたらまたブログ内でもネタバレしない程度に紹介出来たらなと思います。

 

 

 

 

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キャセイパシフィック、香港エクスプレスを買収。今後のキャセイグループの行く末は

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3月27日、香港の大手航空会社キャセイパシフィック航空は、中国の海南航空グループ(HMA)から傘下のLCC「香港エクスプレス」を49億3千万香港ドル(約690億円)で買収すると発表しました。その後7月19日に買収手続きが完了し、香港エクスプレスは正式にキャセイグループの一員に。買収後も路線やブランドは維持されますが、CEOはキャセイから送り込まれます。ここ数年のアジアでのLCC設立ブームからは距離を置き、フルサービスキャリア一本で路線展開していたキャセイですが、今回の買収で方針を転換することになります。

 

sky-budget.com


www.traicy.com


www.nikkei.com

 

今回の買収について、モルガン・スタンレーは「香港の基盤を強化できるが買収額は割高」と疑問を呈す一方、ジェフリーズのアナリストは「キャセイと香港エクスプレスは異なる顧客基盤を持つ」と一定の評価を出すなど、市場の評価は分かれています。実際、香港エクスプレスの純資産価値は約11億香港ドルと買収額の2割強しかなく、2018年12月期の最終損益も1億4100万ドルの赤字と確投資効率を考えるとあまり良い買い物とは言えません。キャセイが就航していない日本の地方都市への路線は魅力的ですが、成田や関空などキャセイと香港エクスプレスがバッティングする路線も多く、買収後は香港エクスプレスの経営改善とキャセイと香港エクスプレスの棲み分けが課題になるでしょう。

www.nikkei.com

 

カタール航空で人気の世界都市へお出かけください。

 

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キャセイパシフィック航空は貿易港である香港の地の利を生かし、香港の役割が変化するのに合わせて事業を拡大してきました。イギリス統治時代は香港が中国大陸と世界を結ぶ玄関口となった事で急速に事業を拡大し、1970年代に香港がアジアの金融・貿易センターとしての地位を確立すると世界中にネットワークを広げ、香港をハブとした路線展開を行います。航空連合への加盟も早く、1998年に発足したワンワールドの創立メンバーでもありました。

 

しかし、中国の急速な経済成長で航空需要が急増すると中国国際、東方、南方といった中国本土の航空会社は世界各地へ直行便を飛ばし、香港を経由せずとも自国の航空会社や中国本土に乗り入れる航空会社の便を使って海外に行けるようになった事でキャセイの強みは薄れます。

さらに元々乗継需要狙いだったシンガポール航空に加え、タイ国際航空や大韓・アシアナ航空、近年ではJALやANAといったアジアの他の大手航空会社が乗継需要を重視するようになり、更にはLCCの台頭で価格重視の顧客が流れるなど、アジアの航空会社間の競争の激化でキャセイの業績は悪化していきました。

2016年12月期には得意のビジネス需要の低迷と燃料ヘッジの失敗で赤字決算となり、600人の人員削減などのリストラに踏み切りました。昨年度は黒字になったものの、決して経営は盤石とは言えません。香港エクスプレスの買収は堅調な需要がある日本路線が目的と言われており、LCC事業に参入する事で価格重視の顧客を取り込みたいところでしょうが、レガシー系列のLCCも成功と言えるのはカンタス系列のジェットスターくらいで、シンガポール航空系列のスクートは業績が低迷し、タイ国際航空系列のノックエアも赤字続き。ANA系列のピーチは好調ですが、規模的には他社よりも小さく、バニラとの統合作業など不透明要素が残っています。キャセイが買収した香港エクスプレスの経営も赤字であり、今後経営を立て直せなければ却って経営の重荷になる可能性もあり、今回の買収を上手く活かせるかどうかがキャセイグループの分かれ道になるのではないでしょうか。

 

www.nikkei.com

 

 

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関空でJALのA350を撮ってきた

 

7月13~15日の3連休に関西地方に出かけました。最大の目的は迷列車関係のイベントに行く為でしたが、何気なくツイートを見ているとJALさんの公式Twitterでこんなツイートが。

 

 

 

ああそうか、9月1日の就航に向けて訓練飛行やるんだな。もし旅行中に日程が合えば訓練飛行の機体を撮りたいなと思って見て見ると・・・

 

7月13日と14日に関空に来る!

 

しかし飛んでくるのは早朝、6:40頃関空着、8:20頃離陸です。イベントは10時からだから関空の近くに前泊して早朝から関空で出張れば・・・撮れる!

 

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という訳で行ってきました。

 

8時ちょっと前に展望ホールに行きましたが残念ながらこの日の天気は雨。地方住みの私にしてみれば大空港に撮影に行くこと自体が一大イベントで、遠方から意気込んで行ったら雨だったというのは一番悲しいシチュエーションなんです。こればっかりは都会住みの航空ファンの方が羨ましいです・・・

ちなみに着陸も押さえようとワンチャン狙いでKIXそらぱーくに行ったんですが、着いた頃には既に着陸後だったうえに事情を知らないリアル友人に発見されてバツの悪い思いをしたのは秘密です。

 

 

そしてお目当てのJALのA350ですが、奥の方に駐機されていたようで展望ホールからは見えませんでした。私の持っているカメラはCanonのEOS80Dと一眼ではそれなりにいい機種なのですが、本体にお金を突っ込んで望遠レンズに廻すお金はありませんでした(涙)なので他の方が白キャノンやバズーカと言ったガチの望遠レンズで構える中、私は本体に付属していた18-135mm USMのレンズで勝ち目のない戦いを挑むことになりました(いやこれも付属レンズとしてはいいやつなんですけど相手がね・・・?)

 

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そしてご覧下さい、これが望遠じゃない普通のレンズで撮った精いっぱいのJALのA350です(泣)

 

被写体的には手前にJTAの甚兵衛ジェットもいて結構いい構図なんですけどねえ。羽田や成田、中部なんかは空港本体に展望デッキがついてたり、周辺に撮影に適した公園があるので標準レンズでも割と撮れるんですが、関空に関しては望遠なしだとやはりキツいです。

 

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なので腹いせに近くに止まってたKEの787とTGのサンパチを撮ってやりました。

 

そして離陸。ここで私はある決断を迫られることになります。それはJALのA350の離陸と言う貴重なシーンを写真で撮るか、動画で撮るかと言う事。A350の美しい姿を切り出すなら写真の方が狙いやすいですし、ブログに載せるなら写真一本に絞った方がいいのですが、この機体は動画素材としても貴重なもの。ブロガーとしてのネタを取るか、動画制作者として素材集めをするか・・・

 

 

動画制作者の方を取ってしまいました。

 

ただ、動画の方を優先した理由はもう一つあって、動画なら画像の切り出しができる事。これなら取り合えず静止画でもJALのA350を見てもらえます。そして切り出した画像がこちら。

 

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・・・まあ、動画からの切り出しだとこんなもんですよね。

 

今回はあまり成功とは言えませんでしたが、JALのA350は当面国内線のみの運航になる事、777の運用から考えると札幌や福岡、那覇と言った高需要路線が中心になり、定期便で関空に飛来することはあまりないかと思いますので、このショット自体貴重なものになるかも知れません。実機を見た事でJALが初めて発注したエアバス機への期待はますます高まりましたし、9月1日に乗るのがますます楽しみになってきました。

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 ↓JALが導入するA350を始めとした歴代エアバス機を紹介したムック。就航前におさらいしてみるのもいいかも知れません。

 

 

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