〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

羽田発着枠のアメリカ側の暫定配分決定・成田発はどれだけ減るのか

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5月16日、アメリカ運輸省(DOT)は2020年夏ダイヤで予定される羽田空港の昼間時間帯の増便について、アメリカ側に割り当てられる予定の12枠を暫定的に割り当てたと発表しました。今後5月30日までに反対意見を受け付けたのち6月10日には正式決定、その後日本側の承認を得た上で夏ごろには正式に決まる見通しです。
www.aviationwire.jp

 

headlines.yahoo.co.jp

 

では、今回の配分はどのようになったのでしょうか。まず各社の配分ですが

デルタ5

ユナイテッド4

アメリカン2

ハワイアン1

となりました。以前の記事で私が出した予想がデルタ5、ユナイテッド4、アメリカン2+早朝深夜1、ハワイアン1だったので、アメリカンの早朝深夜枠以外は予想が当たりました。我ながらまんざらでもない予想だったなw

 

その時の私の予想は以下の記事をご覧下さい。

 

www.meihokuriku-alps.com

 

次に各社認可された路線を見ていきます。

デルタ:デトロイト、アトランタ、シアトル、ポートランド、ホノルル各1往復

ユナイテッド:ニューヨーク、シカゴ、ワシントン、ロサンゼルス各1往復

アメリカン:ダラス、ロサンゼルス各1往復

ハワイアン:ホノルル1往復

 

これについても概ね予想通りでした。個人的にはラスベガス線やグアム線が飛べばいいなと期待していたんですが、まあ仕方ないです。また、この配分で新たにデトロイト、アトランタ、シアトル、ポートランド、ワシントン、ダラスの6都市が羽田発アメリカ線に加わる事になり、既存のロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ミネアポリス、ホノルル、コナの7都市と合わせ13都市に拡大します。日本側の会社の就航地によっては今後更に就航地は増えるかも知れません。

アメリカ側が概ね固まったことで、次は日本側の会社がどの路線を飛ばすか、ANAとJALの配分がどうなるかが焦点となります。今のところ日本側の航空会社の発着枠については大きな動きはありませんが、準備期間等を考えるとそろそろ動きがあってもおかしくないと思います。アメリカ側の配分が正式決定したあたりから動き出すのではないでしょうか。こちらの動きにも注目です。

 

成田発アメリカ路線の行方

さて、アメリカ側の配分が決まったことで、来年以降成田発のアメリカ路線がどうなるかが気になるところです。羽田発アメリカ路線が大幅に増便されることで、重複路線の一部羽田移転は避けられないでしょう。成田空港側も「影響は避けられない」として撤退路線が出る事は覚悟しているようです。

 

www.aviationwire.jp

 

では今後、具体的にどの会社のどの路線が撤退となるでしょうか?各社ごとに予想してみましょう。

デルタ航空

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今回の各社の中で一番激減する可能性があるのがデルタ航空。ここ数年来、成田発着路線を減らしまくってきたデルタですが、羽田路線でほぼ希望通りの枠が認められたことで成田離れがさらに加速しそうです。

まず都市自体が小さく、路線需要も大きくないシアトルとポートランドは間違いなく撤退になると思います。ホノルル線に関しても2往復のうちどちらかは羽田に移すでしょう。問題は残るデトロイトとアトランタですが、個人的な予想ではこの2都市はデルタにとっても二大ハブと言える規模があるので、どちらかは残すかもしれないと考えています。

実はデルタはアメリカ路線のほかにも以遠権を利用してマニラとシンガポールにも路線があり、このうちマニラはホノルル線の以遠なので問題ないとしても、シンガポールはシアトル線の以遠の為、この路線を残したければどこか別の路線にくっつけるしかありません。そこでそのくっつける相手としてアトランタとデトロイトが考えられる訳です。特にデルタ最大のハブであるアトランタからは全米各地の路線はもとより、中南米やカリブ海への路線も出ていますから、乗り継ぎ需要やライバルのアメリカンがダラス線を2往復飛ばしている事、アトランタ~シンガポール直行は難しい事を考えるとアトランタだけは成田に残す可能性はあるのではないかと思います。

もっとも、「羽田で一定の枠が取れたし成田はもういいわ!」と、すっぱり全面撤退する可能性も十分考えられますが・・・

 

ユナイテッド航空

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デルタに比べるとある程度の便数は残りそうなのがユナイテッド。今回の配分でヒューストンとグアム線が却下されたことや、これ以外にもデンバー、ホノルル、サンフランシスコ線がある事を考えると、羽田増枠後も一定の路線は残るのではないかと思います。

それでもいくつかの路線は撤退が避けられないと思います。正直、羽田開設が認可された路線のうち、メインハブのシカゴ線だけでも残ればラッキーなのではないでしょうか。

アメリカン航空

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アメリカンもロサンゼルスの撤退とダラスの減便は避けられないと思います。但しダラス線そのものは却下された1往復は残るのではないでしょうか。また、同じく却下されたラスベガス線を成田発着で実現させるかも知れませんし、アメリカン航空のハブにはマイアミやフェニックス、シャーロットなど、日本未就航の都市がいくつも存在しますので、デルタやユナイテッドとの差を埋めるためにそれらの都市へ新規就航させるかも知れません。まあ、この辺はどちらかと言うと願望ですが・・・

ハワイアン航空

一番減便するのはデルタの可能性が高いですが、ハワイアンに関しては上記3社とは別の問題があります。「成田自体から撤退」の可能性です。

現在、成田からのハワイアン航空はホノルル一往復のみですが、今回の配分で羽田発ホノルル線は週18往復、コナ週3往復となります。これだけの便数があれば羽田に集約したくなるでしょうし、成田~ホノルル線には間もなくANAのA380が就航します。ハワイアンが供給過剰が予想される成田路線に見切りをつけ、都心から近く客単価も高めに設定できる羽田を重視しようと思ってもおかしくない状況は揃っていると言っても過言ではありません。正直言って、ハワイアンの成田撤退の可能性は五分五分ではないかと思います。

 

以上、アメリカ航空各社の成田路線の展望についてまとめてみました。短期的にはデルタを中心に大幅な減便は避けられないと思います。後は各社が新規路線を開拓する意欲があるかどうかですが、この中で開拓の余地があるとすればシェアの小さいアメリカンではないかと思います。幸い、アメリカンにはJALと言う提携相手がいますし、北米~アジアの乗り継ぎ需要も十分見込めますので、新規路線開拓はそう悪い賭けではないと思いますがいかがでしょうか?

それでも羽田空港の配分に制限がある以上、長期的には成田も活用しなくては太平洋線の航空需要はさばききれません。今後成田発アメリカ路線が競争力を維持できるかどうかは中規模路線の開拓がカギとなるのではないかと思います。また、ZIPAIRも北米路線開設を目指していますから、低運賃な航空会社が就航すれば太平洋線の航路図も今後劇的に変わっていくかもしれません。羽田のアメリカ路線増枠は成田にとっては脅威ですが、ピンチをチャンスととらえて今後も路線の充実や誘致で対抗して行って欲しいですね。

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