〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

関空に新千歳・・・相次ぐ大空港の災害

9月4日から5日にかけて日本中で猛威を振るった「最強台風」台風21号は大きな爪痕を残していきました。この件について書こうと思った矢先、9月6日に北海道で最大震度7の地震が発生し、北海道中が停電、新千歳空港も閉鎖されました。今年は災害が多すぎるような・・・被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方に対し心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

まず関空の方ですが、5日の午後から閉鎖されましたが、利用者や職員の方8000人が取り残された上に、連絡橋にフェリーが衝突して亀裂が入り、空港島からの脱出も不可能になりました。翌6日の早朝から関空~神戸空港間の高速船や、連絡橋の無事だった反対側の道路を使用してバスでピストン輸送するなどして順次取り残された人を空港島から脱出させましたが、脱出までには時間がかかり、全ての人が空港島から出られたのは深夜になってからでした。


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関空の被害状況や空港連絡橋の損傷状況を考えると早期の再開は難しいかなと思っていたのですが、明日7日から比較的被害の少なかった第2ターミナルとB滑走路を使って国内線の一部を再開させるとの発表がありました。 再開させるのは第2ターミナルを使用しているピーチで、ひとまず7日は関空発6便、関空着11便。また、JALも羽田―関空線一往復を運航させるようで、わずかでも関空の運航再開が可能となったことは良かったと思います。

国際線や貨物路線の再開に関してはまだ見通しが立っていませんが、メインで使用している第1ターミナルとA滑走路の被害が甚大な事を考えると、早期の復旧は難しそうです。航空各社は成田や中部などの他の日本発着路線への振り替えを受け付けるほか、デルタ航空やアシアナ航空などは関空の代替として中部発着路線の臨時便を運航する予定。伊丹空港や神戸空港に一時的に国際線機能を移転させる構想も上がっており、今後関空が使用できない穴埋めをどうするのかという議論が本格化しそうです。

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一方の新千歳空港。震源地に一番近かったことや停電の影響もあって始発から全便の欠航が決まりました。新千歳以外の空港は非常用の電源を使用して運用を続けましたが、女満別空港はその非常用電源も尽きてしまったため午後2時以降欠航。23時現在、明日7日以降の運航の見通しは立っていません。

 

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正直、関空に関してはここまで大きな被害になるとは思っていませんでしたが、もしこれが運用中だったと思うとぞっとします。早めに運用を止めたからこそ死者を出さずに済んだと思いますし、これだけの巨大台風は関空も想定外だったと思うので、今回の事態は仕方なかったのかと思います。新千歳に関しても停電という外部要因ではお手上げでしょうし、もし地震が運用時間中だったり冬場だったりしたら、被害はもっと大きかったのかも知れません。

飛行機に限らず近年の交通機関は台風などの災害が予想される場合、被害が大きくなる前に早めに運休する傾向にあります。一昔前なら早めの運休はむしろ非難されることもあったくらいですが、下手に動かして被害を拡大させるよりは賢明な判断だと思いますし、交通機関が止まる事で企業も早めの帰宅や臨時休業の判断がしやすくなったのではと思います。以前に比べると災害の規模や頻度は間違いなく大きくなっていますし、今後はいかに早く「止める」決断をして被害を最小限に抑えるかが問われてくると思います。我々利用者サイドもその決断を尊重し、身を守る行動を最優先に取りたいものですね。