迷航空会社列伝と並行して制作している「東海道交通戦争」。第6章は航空シャトル便→JAL・JAS統合→東海道新幹線品川駅開業と取り上げましたが、製作中にJALとANAからシャトル便運賃の終了が発表されました。
発表された、と言ってもプレスリリースで発表したわけではなく、当該運賃を紹介するページで「10月28日搭乗分をもって取り扱いを終了します」と一言書かれただけ。2000年のシャトル便の開始当初は大々的に発表され、新幹線とのガチンコバトルともてはやされましたが、2002年のJALとJASの統合後は尻すぼみになり、いつの間にか各社の割引運賃にわずかに名前を残すだけになりました。
・・・というか実を言うと「まだ残ってたのか!」と突っ込みたくなったのが本音です。もうシャトル便なんて覚えてる人も少ないのに・・・でも改めて条件を見てみると、予約変更OK、出発前なら取消料無料(払戻手数料は別途)、マイル加算100%など、普通運賃に近い使い勝手の良さ。料金も特割運賃よりは高いですが、特割が予約変更NG、取消料あり、マイル加算率75%ということを考えると、そこそこ安くて使い勝手がいいシャトル便割引はビジネス利用に根強い支持があったのかなと思います。だからこそ名前が忘れられても今まで残っていたのかと。
しぶとく残っていたシャトル便割引がなくなる理由はJALもANAもアナウンスしていません。ですが、消えるということは「利用する人が少なく、廃止しても苦情はほとんど無い」と判断した結果なのでしょう。
シャトル便割引の終了まであと2ヶ月あまり。東京〜大阪間の航空路線の利便性を向上させるきっかけになり、新幹線との価格競争を本格化させた「シャトル便」。シャトル便が果たした役割は大きいものですが、間もなく名実ともにその歴史的役割を終えようとしています。