〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

愛知県との連携協定に新路線、エアアジアジャパンはようやく成長軌道に乗るのか

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3月22日、エアアジア・ジャパンと愛知県は包括連結協定を締結しました。締結式にはエアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏も出席し、エアアジア側の本気度が伺えます。今後愛知県の観光振興や食のPRなどで連携し、具体的には西尾茶を使ったお菓子を県がエアアジアに無料提供し機内で配布、有松絞の機内販売などを行う予定です。昨年には名古屋市とも協定を締結しており、エアアジア・ジャパンの愛知県の「地元化」は着々と進んでいるようです。

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そして同じ日、トニー氏は今年の夏前までの仙台線就航と冬ダイヤでのソウル線就航計画を示しました。仙台は当初の計画で札幌便と同時に就航するはずが、運航開始が遅れた事で流れてしまったので、今回は再チャレンジと言う事になります。合わせてエアアジアXによる中部~クアラルンプール線の8月までの就航を発表しましたが、こちらの方は昨年も同じような発表をしてたのにいつの間にかうやむやになっていたので、果たして実現するのかどうか・・・
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さらにトニー氏は三菱航空機の「MRJ」を20機導入する意向を表明しました。現在は三菱側の回答待ちと言う状態だそうですが、もしこれがリップサービスではなく本気の検討であれば、開発遅れや新規受注の停滞で閉塞感があるMRJにとっては久々の明るい話題と言えます。東南アジアの大手LCCが発注するとなれば、アジア地域でのMRJのセールスにも弾みがつくのではないでしょうか。MRJと言えば生産拠点があるのは愛知県。ここでも「地元」である愛知県へのエアアジア側の配慮が伺えます。

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さて、中部空港の拠点化と地元との連携を強化しているエアアジア・ジャパンですが、ようやく成長軌道に乗せる事が出来るのでしょうか。

2018年第3四半期の搭乗率は72%、4月〜12月の搭乗率は80%と、前年度の68%よりも4%改善しています。徐々にではありますが、エアアジアブランドが浸透しているのが搭乗率からも見て取れます。

とは言え、エアアジアグループ全体で見ればまだまだ搭乗率は低い方。他国のエアアジアが80%台の搭乗率なのに比べるとまだ開拓の余地はあるように思えます。今年2月からは中部〜台北線にも就航しましたが、激戦区のこの路線の搭乗率が加わる次の四半期の搭乗率が今後を占う鍵と言えます。

そして1番の鍵となるのは今後の路線展開でしょう。韓国LCCが乗り入れるソウルはともかく、中部〜仙台路線は事実上ANAグループの単独運航路線なので、上手く需要開拓すれば伸びしろは十分あると思います。中部発着路線はこの他にも宮崎、長崎、松山など意外と潜在需要はありそうなのにANA単独運航の路線が他にもあるので、こういった地域に進出すればまだまだ開拓の余地はあるのではないでしょうか。

 

将来の路線開拓の為にも、拠点となる東海地方でのエアアジアブランドの浸透は急務と言えます。個人的には大手2社の影響を受けない独立勢力の存在は必要だと思いますので、エアアジア・ジャパンには是非頑張って欲しいですね。

 

 

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