〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

佐川急便に必要だったのは航空ではなく鉄道だった

去年の動画を振り返っているうちに迷航空会社列伝の動画が溜まってきました。ブログの方も関連記事を書かないと・・・

さて、2017年の年末にアップした新作のギャラクシーエアラインズ。大手宅配便会社の佐川急便を中心に設立された貨物航空会社でしたが、国内航空貨物事業の不振及び佐川とそれ以外の会社との温度差と確執が原因で2年足らずで運航終了、会社解散となってしまいました。


【アジアの銀河は遠すぎた】迷航空会社列伝・2年で消えたギャラクシーエアラインズ

 

正直、国土がそう広くない日本では国内航空貨物事業はそれほど需要は大きくありません。アメリカのようなハブアンドスポークシステムを築くにも高速道路や高速の貨物鉄道が発達している日本では積み替えの時間が逆にネックとなってしまいますし、ダイレクトな輸送も限られている。何より日本では床下に貨物コンテナを積み込めるワイドボディ機が旅客便でバンバン飛んでますから、あえて貨物専用機を飛ばさなくても旅客便の床下を使えば十分賄えます。何せJALは貨物専用機を一機も持っていないにも関わらず、平成29年3月期の国内航空貨物事業は222億6千万円の売り上げがあるのですから、馬鹿にはできません。

 

一方、ギャラクシーエアラインズ設立の少し前にに佐川急便とJR貨物が共同開発し、運行を開始した「スーパーレールカーゴ」は貨物ながら電車方式を採用し、最高時速130km/hで東京-大阪間を6時間12分で結びます。こちらは専用のコンテナや、そのコンテナを積むための専用トラックまで用意し、万が一の際には迅速にトラック輸送に振り替えられるよう万全の体制を取るという力の入れよう。積載量は往復で10トントラック56台分、つまり560トン。ギャラクシーのA300の最大積載貨物量が54トンですから、大体A300×10機以上の貨物量を賄える計算です。

 

↓スーパーレールカーゴに関しては佐川急便のニュースレターに詳しく書いてあります。

http://www.sg-hldgs.co.jp/company/sg-news/pdf/sgnews0808-2.pdf#search=%27%E4%BD%90%E5%B7%9D%E6%80%A5%E4%BE%BF+%E9%89%84%E9%81%93%E8%B2%A8%E7%89%A9%27

 

航空貨物の弱点として積み下ろしに時間がかかる事と単価が高くなることが挙げられますが、いくら移動時間が短くても、東京-大阪位の距離だと積み下ろしや空港での仕分け、空港からの輸送時間を考えるとスーパーレールカーゴやトラック輸送とのアドバンテージは低くなってしまいます。

佐川急便の主力事業は国内貨物や法人メインの宅配便事業なので、高速で大量に、正確な時間で大量に運べるスーパーレールカーゴは最適な輸送手段であると思います。ドライバー不足が叫ばれる昨今の事情を考えると、鉄道貨物輸送の比率はどんどん高くなっていくでしょう。東京-大阪間以外でも1980年代から佐川急便は鉄道貨物を利用していますし、今日も佐川急便のコンテナを積んだ貨物列車が日本中を走っています。

そう考えると国内が主戦場の佐川急便は航空貨物にうつつを抜かさず、鉄道貨物の強化に経営資源を割り振った方が下手に特損を出さずに済み、もっと早く上場できたのでは・・・?実際、ギャラクシーエアラインズも国内貨物はともかく、国際線展開の計画は明確な将来ビジョンもなく、「アジアの総合物流企業」と言う目標もかなりぼんやりしたものでしたし。

 

 

 

 

プラレール スーパーレールカーゴ

プラレール スーパーレールカーゴ