〜Aviation sometimes Railway 〜 航空・時々鉄道

航空や鉄道を中心とした乗り物系の話題や、「迷航空会社列伝」「東海道交通戦争」などの動画の補足説明などを中心に書いていきます。

2017年にアップした動画を振り返ってみました(1~4月分)

早いもので2017年ももうすぐ終わり。今年はYouTubeのチャンネル停止という最悪のスタートでしたが、動画では迷航空会社列伝、東海道交通戦争の2本柱が確立し、YouTubeのチャンネルもメインチャンネルが5,000人以上、サブチャンネルも1000人近いチャンネル登録者を頂きました。ニコニコの方も昨年のコンチネンタル航空投下前は1000人ちょっとだったのが、今では4600人以上!ブログの方も何とか形になってきて、ネットの方では順調な1年だったかなと思います。これもひとえに皆様のお陰です。本当にありがとうございました。

 

・・・リアル生活の方は全然でしたけどw

 

それはさておき、今年も結構動画を出しました。迷航空会社列伝で21本、東海道交通戦争で14本、合計35本と約10日に1本の割合でアップした計算です。仕事しながらの動画作りですし、原稿作成と下調べにどうしても時間がかかるので、このくらいのペースが限界かなと思います。そこで今年アップした動画を、原稿の文字数と合わせて振り返ってみたいと思います。アップ日は基本的にはニコ動とYouTubeのうち、先にアップした日で紹介します。

 

1月6日 東海道交通戦争 第一章「新幹線開業前夜」

(原稿文字数:今の段階で55,869文字)


東海道交通戦争 第一章「新幹線開業前夜」

 

2011年~14年にニコニコ動画でアップしていた「東京大阪交通戦争」のリメイク版ですが、今の動画との落差が激しくなったことと、ニコニコムービーメーカー無料版終了で同じような動画を作るのが不可能になった事、そして何よりニコニコムービーメーカーの作品はYouTubeでのアップが不可能なので、一からリメイクし直しました。リメイクと言っても結構加筆してますし、動画編集は最初からやり直しなので、半分一から作ったようなものでした。

でも作っているうちに過去の動画で説明が不十分だったり、すっ飛ばしていた部分に気づいて加筆修正できたのは収穫でした。特に新幹線保有機構の部分はJR東海のその後を決定づけた重要な出来事でしたので、これはリメイクして正解だったかなと思います。

 

もっとも、リメイク前から見て頂いてる視聴者の方には更にお待たせすることになり申し訳なく思います。これからはようやく続きの部分になりますので今しばらくお待ち下さい。

 

・・・まだ原稿全然できてないけど(ボソ

 

1月27日 迷航空会社列伝 サベナ・ベルギー航空

(原稿文字数:不明)


迷航空会社列伝「創業78年、黒字1回」補助金依存の成れの果て サベナ・ベルギー航空

 

すいません、これだけ元の原稿が消えてました・・・

 

かつてのベルギーのフラッグキャリア、サベナ航空ですが、これはもう「国の補助金にどっぷりつかったフラッグキャリアの末路」って感じですね。国の庇護の下、ぬるま湯につかってきたフラッグキャリアの意識を変えるのは並大抵の事じゃありません。この後出てくるアリタリアや東海道交通戦争でも取り上げてるJALも本質的な問題は同じなんですよね。

 

2月18日 迷航空会社列伝 バリュージェット

(原稿文字数:3,645文字)


迷航空会社列伝「消えるは恥だが生き残る」空飛ぶ朝倉軌道・バリュージェット

 

 これはもうアメリカ最凶と言っても良いくらいのブラック航空会社でしたね。法令違反上等、フライトが完結しないと賃金が払われないブラック雇用、異常運航の常態化に杜撰な管理体制・・・事故を起こしてそのまま運航停止、破産になっていれば間違いなく最低最悪の航空会社として名を残したことでしょう。

 

しかし、逆さ合併でエアトランになった後は急に真逆の方針になってホワイト化したのは正直凄いと思いました。日本のブラック企業は一度ブラック体質が染み込むと修正できずにそのまま突っ走りますから、色々と考えさせられる回でもありました。

 

3月14日 迷旅客機列伝 ボーイング717

(原稿文字数:4104文字・YouTube限定公開)


迷旅客機列伝「名門企業の忘れ形見」異端のボーイング717

 

これも昔ニコニコで上げた動画のリメイク版ですが、これに関してはYouTube限定公開にしました。旅客機に関しては他にも出してる人もいましたし、基本的にはニコニコに先にアップしていましたので、迷旅客機シリーズに関してはYouTube版で見てくれている方への優遇措置、という側面もあります。

ボーイング717、日本ではなじみがなく、一番近い場所でもハワイまで行かないと乗れないレア機種ですが、個人的には乗ってみたい機種の一つであります。マクドネル・ダグラスの血統を受け継ぐ最後の機種ですし、恐らくダグラス系の機材では最後まで飛ぶ機材になると思いますから。ダグラスが消滅して約20年、ボーイング717の生産中止からも11年。旧ダグラス機に乗る事ができるのもあと10年くらいでしょうね・・・

 

3月25日 迷航空会社 オリエントタイ航空

(原稿文字数:4,382文字)


迷航空会社列伝「古い機材は使い捨て」フリーダム・オブ・オリエントタイ航空

 

現段階でのシリーズ最凶航空会社はここで間違いないでしょう。正直、ここまでひどい航空会社、そうはいないと思います。ちなみにオリエントタイが野放しになっている原因だったタイの航空当局はかなり改善されたようで、ICAOの「安全に対する懸念」が解除されたことで今後は以前のようなザル管理は期待(?)できなさそうです。その影響なのか否か、オリエントタイは定期便はもう飛ばしておらず、737で細々とチャーター便を飛ばしている程度という未確認情報があります。潰れそうで潰れなかったオリエントタイも、いよいよ年貢の納め時なんでしょうか・・・

 

4月18日 迷航空会社 トランプシャトル

(原稿文字数:4031文字)


迷航空会社列伝「過ぎたるは猶及ばざるが如し」大統領の黒歴史・トランプシャトル

 

現アメリカ大統領・ドナルドトランプが過去に手掛けていた航空会社、トランプシャトルを取り上げた回です。サービス自体は今のフルサービスキャリアに通じるものがありますし、ある意味JALのファーストクラスやANAのプレミアムクラスに通じるものではあるんですよね。ただ、それを選択制ではなく、全席でやってしまったのが失敗でした。今のトランプ大統領も移民政策や人種問題、エルサレム問題で非難を受ける一方、ビジネスを伴う外交関係では成果を上げていますから、昔も今もムラのある人だったんでしょうかねえ・・・

 

なんて書いてきましたが、もうすぐ年が変わりそうなので一旦ここで終わります。続きは明日以降にアップします。それでは皆様、よいお年を。

90年代の日本航空は想像以上のジャンボ王国でした。

東海道交通戦争、第7章の後編はJALの破たんを取り上げました。

 


後編:落日のフラッグキャリア【東海道交通戦争 第七章】

 

JAL問題に関しては語っても語りつくせない部分がありますし、別の方の動画でも紹介されていますので、大分端折ったものになっていますが、倒産に至った原因と大まかな経緯については何とか紹介できたかなと思っています。JAL倒産の経緯についてはこちらもご覧下さい。

 


【ゆっくり実況】しくじり企業 Chapter06 ~日本航空(JAL)~

 

さて、動画内ではJAL破たんの原因のひとつとしてジャンボジェットことボーイング747型機の存在を挙げましたが、90年代はジャンボ機の存在はむしろ日本の航空業界躍進の象徴ととらえられていた節があり、JALもANAも大量の747を保有していました。3位のJASも上位2社に追いつくべく選んだ機材も747-400型でした(もっとも、JASの747についてはバブル崩壊でそれどころではなくなり、発注キャンセルになりますが)

 

で、実際のところ、昔のJALやANAの保有機材はどんな感じだったのか。ちょうど手元に1993年のフリートリストがありますので、ちょっと見てみましょうか。

(出典:月刊エアライン1993年8月号)

 

日本航空(JAL)グループ

 

(日本航空、日本アジア航空、日本トランスオーシャン航空、ジャパンエアチャーター)

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ボーイング747-400      27機

ボーイング747クラシック   50機

ボーイング747貨物型     10機

マクドネル・ダグラスDC-10    20機

ボーイング767        16機

ボーイング737-200      10機

YS-11            5機

合計            138機  

 

グループ4社の機材中、747の割合は138機中87機と全体の63%を占めます。JAL本体に限って言うと113機中83機と、実に約73.4%がジャンボ機と言う、押しも押されぬジャンボ王国です。確かにこの頃のJALはハワイやグアム、サイパンといったリゾート地にバンバン747を飛ばしてましたし、国内線でも幹線はもちろん、羽田発の地方路線にもジャンボが飛んでいた記憶があります。これだけジャンボばかりだと乗客の間でもJAL=ジャンボのイメージが強くなりますし、DC-10や767の影が薄くなってジャンボ以外は格下の機材と感じてしまうのも無理はありませんね。

 

ちなみにJALグループの機材のうち、737-200とYS-11は日本トランスオーシャン航空の機材なので、JAL本体ではプロペラ機はおろか、短通路機も存在せず、767が最小の機材と言う事になります。国内線は737とエンブラエルだらけになった今のJALとは隔世の感がありますねえ・・・

 

全日本空輸(ANA)グループ

(全日空、エアーニッポン、ワールドエアネットワーク)

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ボーイング747-400    13機

ボーイング747クラシック 23機

ロッキードL-1011     9機

ボーイング767      51機

エアバスA320       14機

ボーイング737-200           9機

YS-11            23機

DHC-6             2機

合計             145機

 

こっちは747の割合は145機中36機と4分の1程度。この機数も多いと言えば多いのですが、JALと比較するとおとなしめです。と言うかJALの比率の方が異常なんですがw

それよりも767の機数の多さが目立ちます。51機と言う機数は実は今の767の機数(旅客型35機、貨物型12機の計47機)とそう大差ない機数であり、今も昔もANAの主力機の一角を占めています。個人的にはANAはジャンボよりも767や787のような中型旅客機を上手く使っているがありますが、この頃からすでにその片鱗は見えています。

 

 それにしてもこの頃の日本はANA、JAL合わせて123機もジャンボを持っていたんですね。日本貨物航空の6機を加えると日本の航空会社が保有するジャンボは129機。当時の日本の登録旅客機が約400機ですから、実に3分の1がジャンボと言う計算です。さらに言えば747を含めたワイドボディ機の数は249機と全体の6割を占めています。今でも日本のエアラインで使われている飛行機の半数弱はワイドボディ機ですが、当時のワイドボディ率はそれ以上ですね。

 羽田や成田の発着枠がなく、急増する航空需要に対応するには大型の旅客機を入れるしかなかった日本の航空事情がここでも垣間見えますし、JALがジャンボ至上主義になっていった原因もわかる気がします。この頃の「ジャンボをバンバン飛ばせば儲かる」という成功体験が、成熟期に入った後もJALがジャンボを捨てられなかった理由の一つなのかも知れません。そう考えると早いうちからジャンボを退役させたANAと破たんするまで整理できなかったJALの差は、単に財務体質の差だけでなく、ジャンボ機への思い入れの強さと過去の呪縛の差なのかもしれません。   

 

 

ありがとう、ジャンボJAL B (イカロス・ムック)

ありがとう、ジャンボJAL B (イカロス・ムック)

 

 

ANA319便(羽田〜富山)搭乗記 〜人生初プレミアムクラスを堪能!が、雪の為・・・〜

2017年12月12日(火)、羽田で4時間の乗り継ぎ時間を過ごした後、富山行きのANA319便に搭乗します。羽田~富山間はプレミアム特割でも16,890円と比較的安い料金でしたので、思い切ってプレミアムクラスで予約しました。同じ便の普通席の特割が12,890円でしたから、差額の4,000円でラウンジ利用、優先搭乗、広々シートに食事とアルコールがつくのならかなりお得じゃないでしょうか?新幹線と比較しても東京~富山間のグリーン車料金とほぼ同じですから、そう考えると新幹線のグリーン料金でグランクラス並みの待遇がゲットできると考えると、結構な乗り得です。

 

ちなみにプレミアムクラス利用の場合、国内線ラウンジが無料で利用できますのでそこでしばらくPCを立ち上げて写真の取り込みや動画の編集などをしていました。

 

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麦スカッシュを飲みながら(笑)

 

さて、時間になりましたので搭乗しましょう。プレミアムクラスは優先搭乗の対象なので権利を行使させて頂きました。でも何故か案内放送ではプレミアムクラスも優先搭乗の対象だとは言わなかったんですよね・・・

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通常、この便の機材はボーイング737-800型なのですが、この日は私の動画でも以前取り上げたボーイング737-700型に機材変更されていました。ANAの737-700型についてはこちらの記事もご参照ください。

 

www.meihokuriku-alps.com

 

先日のANAの機内Wi-Fi無料化でも737-700に関しては対象外となっていましたので、ひょっとしたらこの機種は早晩退役になるかも知れません。そう考えるとこの機種に乗るのはこれが最後になるかも知れませんね。

 

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シートは普通席とは比べ物にならないくらい広さです。737-700の場合、プレミアムクラス導入時にシート交換されたものなので、ある意味最古の?プレミアムクラスとも言えます。とは言っても座り心地は快適そのものですし、ブランケットとスリッパも用意されてるので普通席との格差は歴然。出発前にはわざわざ担当のCAさんがあいさつに来ました。そんな待遇受けたことなんて全くないのでアワアワになりましたw

 

 そんなわけで無事離陸。窓からは東京の奇麗な夜景を見ることができました。これも航空機の醍醐味ですね(画像は機内の映像が映りこんで大してきれいに見えませんがw)

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ベルト着用サインが消え、機内サービス開始。11月からプレミアムクラスの食事内容が変わり、幹線ではきちんと器に盛られた料理が提供されるようですが、富山線ではそんな時間的余裕がないのでほぼ従来通り。ですが「らかん亭」監修のメニューはかなりお上品な味で、短時間で食べられるよう、コンパクトにまとまっていながら十分なボリュームで満足感は高かったです。

お酒は日本酒の「十六代」をチョイス。2月からは富山の地酒が出るようなので、できればそっちを飲みたかったのですが・・・

 

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と、初めてのプレミアムクラスを思う存分堪能しているように見えますが、実はこの日は富山県は雪が降っており、このフライトも悪天候の場合は羽田に引き返す「条件付き運航」。前日の同じ便は富山空港に降りられずに羽田に引き返しており、明日から仕事の私にとっては内心ヒヤヒヤものでした。離陸から1時間近くたってもまだ降りる気配はなく、その後のアナウンスで富山空港の滑走路に雪が積もり、除雪のため着陸を待っていることが判明。「これはマジで羽田引き返しかな・・・」と半分覚悟していました。

 

その後、滑走路の除雪が終わって富山空港へ着陸するとのアナウンスがあり一安心。ですが飛行機が着陸し、止まるまではまだ安心できません。当初の予定から大分遅れた19時50分過ぎ、飛行機はなんとか着陸し、羽田引き返しはなんとか免れましたw

 

心臓に悪いフライトでしたが、結果的には長くプレミアムクラスを堪能できました。初めてのプレミアムクラスは快適そのもので、普通席との差は歴然でした。幹線のプレミアムクラスは普通席との価格差が大きいケースが多いですが、羽田~富山線の場合は新幹線との競争関係がある上に航空機は劣勢なので、比較的安い料金で販売されています。休日は普通席の割引運賃が安くなるのでプレミアムクラスとの価格差は大きくなりますが、逆に平日は相対的に価格差が縮まりますので、お財布に余裕があるのならプレミアムクラスという選択肢はアリだと思います。

上級会員であればアップグレードポイントでプレミアムクラスへのアップグレードも可能ですし、ラウンジも使い放題。今回のプレミアムクラスでその世界を垣間見えることができました。

 

・・・これは修行してでも上級会員になろうとする気持ちが分かりますわw

 

JALも引っかかってしまった「振り込め詐欺」は他人事じゃない

未だに多くの人が被害に遭う「振り込め詐欺」しかし、まさかJALが引っかかってしまうとは予想外でした。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

JAL程の大企業が振り込め詐欺に引っかかるのもお粗末と言えばお粗末ですが、今回の場合は航空機リースや航空貨物の業務委託料と言う、航空業界以外ではまず発生しない支払いで、しかも担当者の会社名や名前、振込金額など一部の人しか知らないはずの情報もメールに書いてあったようですから、信じてしまうのも無理はないのかなと思います。

余程大きな裏組織が暗躍してたのか、相当な凄腕ハッカーが関与してたのか、はたまた関係者が関わっていたのかは分かりませんが、企業を狙った詐欺メールは何もJALに限った話ではなく、どの会社にも起こり得る事です。

 

 

・・・なんて書こうとしたらスカイマークも同様の詐欺に遭っていた事が発覚。航空業界をターゲットにした組織的な犯罪の可能性が出てきました。これはもう他の会社にも被害が出る可能性は十分ありますし、「JAL間抜けだね」で済まされる話じゃ無くなって来ましたね。

headlines.yahoo.co.jp

 

しかしこのビジネスメール詐欺、どの会社にも起こり得る話ですし、JALのように担当者名や本物そっくりの請求書まで添付されたら信じてしまいそうです。ましてや、その請求メールが急を要する支払いで、支払いが遅れると会社に影響を与えるものだとしたら?人によっては「急いで振り込まないといけない」という、一種の強迫観念に襲われて、正常な判断ができないまま振り込んでしまう人もいるかも知れません。

個人をターゲットにした振り込め詐欺でも、いくら「それは詐欺かも知れない」と銀行でとめられたとしても聞く耳を持たずに振り込んでしまう人がいるのも、こうした強迫観念や焦燥感に追い立てられて正常な判断ができない状態だからでしょう。詐欺とまでは行かなくとも「今購入すれば〇割引き」とか「今売却しないともっと値段が下がりますよ」という焦燥感を煽る売り文句はいくらでもあふれています。

 

この手の詐欺被害を防ぐには、月並みですがいったん冷静になって内容を吟味すること。そして、少しでも怪しいと感じたら担当者に確認を取る事。一旦パニックになったら気持ちを落ち着かせるのは困難になりますが(と言うか本人がパニックになってるという自覚すらないかも知れませんが)、それでもどこかで冷静になる目は必要かもしれませんね。

 

 

ANA462便(那覇〜羽田)搭乗記〜ネットに繋ぐだけが機内WiFiじゃない!〜

12月12日(火)富山に帰る日になりました。帰りは羽田経由なので、まずは11:35那覇発羽田行きのANA462便に搭乗です。ANAの那覇〜羽田線は本数が多いですし、乗継の富山行きは18時発なのでもっと後の便でもよかったんですが、羽田で初ラウンジを堪能したかったのとこの便が一番安かったのでw

 

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機材はボーイング777-200型。JALでは幹線でも少なくなりましたが、ANAでは幹線はもちろん、地方路線でもバンバン飛ばしてます。ANAは777-200は国際線用のER型も含め全機が国内線での運用ですが、JALは初期導入の777の退役を進めている上にER型は国際線で飛ばしてますから、国内線での遭遇率はANAの方が格段に上です。

以前は富山空港でも777が飛んでいたんですが、北陸新幹線が出来てからはまず来なくなりました。小松の方はたまに機材変更で来る事もあるんですが・・・

 

 さて搭乗です。今回は機内WiFiにスポットを当ててみたいと思います。今年6月にJALが国内線機内WiFi無料で話題となりましたが、ちょうど今日ANAも来年4月からの機内WiFi無料化を発表したので。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171220-00010004-norimono-bus_all

 

で、どうしてもWiFi無料化に目が行きがちですが、今のANAでもお金を払わずとも出来る事は結構あるんですよね。

まずは動画サービス。対象は限られますが、人気ドラマやバラエティ、ANA独自のプログラムなどが見られます。さらに電子書籍や音楽、ルートマップも見られ、さながら国際線の座席モニターの簡易版と言った感じです。1〜2時間程度の国内線ならこれで十分なんじゃ?

 

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行きのソラシドエアといい、ANAといい、機内エンターテインメントはスマホなしじゃ十分に楽しめない時代になって来ました。これからの航空業界はデジタルコンテンツの充実やネット環境の有無がものを言う時代なのかも知れません。

そうなるとネット環境のない機材との格差は広がる一方。ANAも全ての機材がWiFi対応ではなく、787-8や777、767、737-800にも未対応の機体が存在します。また、737-500やA320ceoなどの古い機体は改修対象外なので、これらの機体はサービス格差解消の為、退役が早まるかも知れません。

さらに、DHC8-400も機内コンテンツは見れますがネットはなし。あと何故かそんなに古くない737-700も機内WiFi対象外の機材です。

 

・・・と言う事は737-700はWiFi対応にせず、早めに退役させるって事なんでしょうかね?いずれにせよ、JALとのサービス競争の観点からも早めのWiFi対応を望みたい所です。そのうち、WiFiがないってだけで敬遠される時代になるかも知れませんしね。

ソラシドエア23便(神戸~那覇)搭乗記 ~ANAのコードシェア便のサービスは同等?~

12月10日から12日まで沖縄に旅行に行ってきました。

国内線に乗ったのは今まではJALとANAだけでしたが、今回初めてソラシドエアに乗りましたので(と言ってもANAのコードシェア便ですが)、ANAとのサービス比較も兼ねてレビューしたいと思います。

 

搭乗したのは神戸8:15発→那覇10:30着のソラシドエア23便(ANA3723便)。運航はソラシドエアですが、ANAとのコードシェア便ですので、予約はANAからです。

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↑神戸空港ではボーディングブリッジの陰で撮影できなかったので、沖縄で、しかも帰りに撮った別の機材で代用w

 

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朝の8時台の便ですが、この時間帯は他にもスカイマークやANA便が出発しますのでそこそこの混み具合でした。伊丹や関空に比べるとコンパクトにまとまってるので使い勝手はいい方だと思います。

 

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座席はこんな感じ。同じ時間帯の伊丹発、関空発の便の旅割が2万円以上なのに神戸発だけ1万円ちょっとと破格なので予約したのですが、乗ってみて納得。搭乗率はそんなに高くなく、特に私が乗った後ろの席はガラガラで横の席には誰も座りませんでした。三ノ宮からポートライナー一本で行けるので利便性はそこまで悪くないと思うのですが、伊丹や関空に比べると空港、航空会社共知名度が低いのが災いしてるのでしょうか?

 

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そんなこんなで定刻通り離陸。乗ってしまえば大手と遜色はなく、機材も新造機のボーイング737-800ですから快適そのもの。座席の広さも大手と遜色はありません。

 

ただ、気になったのが機内エンターテインメント。ソラシドエアは個人モニターはもちろん、オーディオもないので、代わりに「ソラタイム」と言う機内限定コンテンツがスマホやタブレットで見られますが、機内WiFiとは違う為かスマホの設定によっては上手く接続できません。私もいろいろ試しましたがダメでした。イヤホンも自前のものが必要なので、この点はシートモニターがあるスターフライヤーやオーディオ設備はある大手に軍配が上がります。

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一方、大手よりも良かったのがドリンクサービス。まずおしぼりが出されますがこれがコンビニで出てくるペラペラの紙おしぼりよりも少しいいやつでした。さらに機内で弁当を食べてると「よろしければどうぞ」と追加のおしぼりを出してくれました。

ドリンクはあご出汁ゆずスープをチョイス。これが凄く美味しくてビックリ!JALやANAでスープと言うとコンソメスープが定番ですが、ソラシドエアは就航地の素材で地域性を打ち出したドリンクで勝負してるなと感じました。

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全体的な感想はエンターテインメント面では今ひとつですが、CAさんのサービスも良く、ANAと比べても遜色ないサービスだなと感じました。ドリンクサービスの種類やANAに比べるとカジュアルな感じなのもマル。

ただ、ソラシドエアが「積極的に使いたい会社」「熱烈なファンを獲得できるブランド」かと言われるとまだ少し及ばないかなと思います。エアドゥ程地域色が強い訳でもなければスターフライヤー程強烈なコンセプトがある訳でもない。そつなくまとまっている分、印象に残りにくいなと言うのが実際に利用した率直な感想です。実際、私が今回ソラシドを使った理由が「ソラシドエアに乗りたい」ではなく「ANAのコードシェア便でチケットが安かった」でしたから・・・

 

とは言え、九州路線の競争が促進され、航空運賃が安くなったのもソラシドエアが参入したからですし、今後も頑張って欲しい存在です。次はいつ乗る機会があるか分かりませんが。

プロペラ機って格下なの?

一時は縮小傾向にあったものの、ボンバルディアDHC8-Q400のおかげですっかり息を吹き返したかに見えたプロペラ機。しかし、ここに来てJALが福岡ー松山や鹿児島ー奄美などDHC8-Q400路線の一部をエンブラエル機で再度ジェット化してきました。

 

 

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エンブラエル機に置き換えといっても座席数はほとんど変わりませんし、所要時間も5分〜10分縮まる程度。プロペラ機の経済性の高さを考えるとあえてジェット化する必要もない気もしますが、やはり顧客志向としてはジェット機の方が好まれる傾向にあるようで、プロペラ機は「遅い、振動が大きい、快適性に劣る」というイメージがどうしてもついて回ります。

さらにプロペラ機は機体が低く、ボーディングブリッジの使用が困難という弱点があり、これもプロペラ機の「格下感」を助長しています。ANAがわざわざDHC8-Q400用にアダプターを開発したのも、裏を返せばボーディングブリッジが使えないプロペラ機への不満が大きいということではないでしょうか。沖止めだと車椅子利用の場合にも支障が出ますしね。

 
trafficnews.jp

 

しかし、DHC8-Q400も今JALグループが導入しているATR42-600も静粛性や機内の快適さではジェット機とそう変わりません。私もDHC8-400に乗った時はプロペラ機特有のエンジン音と低い高度がジェット機と違うなと感じたくらいで、乗り心地や静粛性はジェット機と大差ありませんでした。ATRの方はまだ乗ったことはありませんが、ATR社CEOの会見やATR機に関する記事を見る限りでは室内の広さと静粛性はジェット機に引けを取らないようです。にも関わらず、なぜプロペラ機は格下扱いされてしまうのでしょうか。個人的な考えですが、以下のような事情が原因なのかと思います。

カタール航空で人気の世界都市へお出かけください。

 

理由1:地方空港のジェット化

現在、日本国内で定期路線が就航している84空港のうち、ジェット機の乗り入れが不可能な空港は、奥尻・調布・三宅島・新島・神津島・但馬・壱岐・天草・屋久島・喜界島・沖之永良部・与論・多良間・南大東・北大東の15空港。基本的には小規模な離島空港ばかりで、本土では調布と但馬の2箇所のみ。今の日本の空港はその気になればジェット機を飛ばせる空港の方が主流で、プロペラ機のみの空港は少数派です。

70年代まではジェット化された空港は限られた存在であり、旭川や岡山、高松といった今では767クラスの中型機が普通に飛んで来る空港も当時はYS-11の独壇場でした。しかし、80年代以降は輸送力増強と高速化のため急速にジェット化が進み、21世紀に入ると利尻や隠岐、種子島などの離島空港でもジェット機の乗り入れが可能となりました。地元政財界や利用者にとってもジェット機は空港近代化の象徴であり、一種のステータスでもあります。それゆえ輸送力でも速度でも劣るプロペラ機は前近代的なものというイメージが染み付いてしまったのではないでしょうか。

さらにはジェット化した離島の空港の中には、採算性や需要の関係でプロペラ機に戻ってしまったり、ジェット機は来ても多客期だけという空港も存在します(利尻、隠岐、与那国)。種子島空港に至ってはジェット化しても定期便でジェット機が飛ぶことはなく、それどころか大阪直行便が臨時便に格下げになるなど踏んだり蹴ったり。また、先述の鹿児島ー奄美線も一度はMD-81でジェット化されたのに、増便と引き換えにプロペラ機のDHC8-Q400に変更された経緯があります。これらの空港の関係者にとってはせっかく大金をかけてジェット化したのに、飛んでくるのは元のプロペラ機ではジェット化の意味がないですし、ジェット機を求めるが故に余計にプロペラ機を「格下」扱いしてしまうのではないでしょうか。

 

理由2:YS-11の存在

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 戦後初の国産旅客機、YS-11。国産という価値に加え、滑走路の短い空港がまだまだ多かった70〜80年代の日本の空港事情にマッチし、耐久性の高さも相まって1973年の製造中止後も長く飛び続け、2006年まで使用された息の長い機材でした。最後まで使用された日本エアコミューターの機材は30年選手がザラでしたから、一般的な旅客機の寿命が20年前後ということを考えると、その耐久性の高さは異例です。

YS-11が日本の航空産業の礎となった名機であることは疑いようがありませんが、その歴史的価値や感情を抜きにして一般利用者の視点で考えると、エンジンが動かないと空調も動かない、荷物棚に重い荷物を載せられない、トイレは汲み取り式、振動もエンジン音も大きいと、現代の旅客機に比べると快適とは言えない飛行機でした。YS-11が主力だった時代ならともかく、90年代以降はジェット機や後継のプロペラ機に比べるとどうしても見劣りしてしまいます。

日本ではプロペラ機というとYS-11を連想する人も多いと思いますが、そのイメージが逆に「プロペラ機=古い時代の飛行機=格下」と思わせてしまう原因の一つではないかと思います。

 

3:DHC8-Q400の初期トラブルと胴体着陸事故

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現在、日本でプロペラ機というとDHC8-Q400のイメージが強いと思いますし、今の日本で一番多く飛んでいるターボプロップ旅客機もこの機体です。現在では大きなトラブルなく飛んでいるDHC8-Q400ですが、過去には降着装置などのトラブルが頻発し、安全性を疑問視されていた時期がありました。その安全性が最も揺らいだのが2007年3月のANA機高知空港胴体着陸事故であり、特に事故の起こった高知県ではボンバルディア機に対する不信は頂点に達し、事故後しばらくDHC8-Q400は高知空港路線からは外された上、事故機も高知県の反発で路線復帰できず、海外に売却されました。

この一連のトラブルがプロペラ機に対するイメージを悪化させた面はありますし、現在でもこの機体のトラブルが報じられると「欠陥機」と言われてしまいますから、DHC8-Q400に対していいイメージを持ってない人は少なくないと思います。

しかしその後DHC8-Q400の日本最大のカスタマーであるANAが地道に改善に取り組んだおかげでトラブルは減り、現在では他機種と遜色ない安全性を確保しています。短距離ではジェット機と遜色ない時間で飛べますし、騒音も少なく低燃費でエコな機体ですから、初期トラブルやあの事故さえなければ今よりも高い評価を受け、プロペラ機に対するマイナスイメージを払拭できたと思うんですが・・・

 

「絶対に良い飛行機にしてやる」特集・Q400を鍛え直した男たち(1)

 

 私個人としてはプロペラ機は決してジェット機に劣っているとは思いませんし、燃費の良さや環境負荷の軽減、滑走路の短い空港からでも離着陸が可能なSTOL性能など、プロペラ機が有利な点はいくつもあります。採算の取りづらい地方間路線や離島路線、フィーダー路線にはATRやDHC8-Q400のようなプロペラ機は最適な機材だと思います。

しかし、過去のプロペラ機の乗り心地やトラブルからいいイメージを持っていない人がいるのもまた事実ですし、飛行機=特別な乗り物という意識がまだ強い日本では、どうせ乗るなら速くて快適なジェット機を選びたくなりますし、どうしてもプロペラ機は「格下」と見られてしまうのかもしれません。

とは言え、JALグループでは日本エアコミューターのDHC8-Q400はいずれ退役する飛行機ですし、ANAグループでもMRJが就航すればDHC8-Q400は置き換えられてしまうかもしれません。そのうちプロペラ機は本当に離島路線専用機となり、限られた路線でしか乗れない貴重な存在になる可能性も十分に考えられます。ひょっとしたらプロペラ機が日本中どこでも乗れる今は実は貴重な時期なのかもしれません。もし喰わず嫌いでプロペラ機に乗ったことがない方、普通に飛んでる今のうちに一度試してみてはいかがでしょうか。ジェット機よりも低空を飛ぶプロペラ機の眺めは、また違った景色かもしれませんし、昔よりも快適性が増したプロペラ機の旅は、案外快適かもしれませんよ。

 

↓実際にプロペラ機に乗る機会がありましたので搭乗記を書きました。こちらも参考にどうぞ。

 

www.meihokuriku-alps.com

 

 

 

 ↓プロペラ機の活躍の場であるローカル航空会社だけを取り上げた本って意外と専門誌では見当たらないんです。そんな中でこちらの雑誌の特集はローカル航空会社を取り上げた貴重なもの。特に新中央航空のドルニエを取り上げた記事は必見です。

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